為て遣ったり。快挙!よくぞまあ。「怪獣無法地帯」一地味な構成員のフィギュア化、恐らくは向後商品化に恵まれないであろうことを顧慮すれば、SDスタイルとは言えども言祝ぐべき天晴れ!大蛇の如く科特隊隊員(フジアキコ隊員でないのが残念である)に巻き付いているという切り口を以って為て、「その手があったか!」と言わしめるよりも、むしろ「その手しか無い」と首肯せしむる遣り口の憎々しさ。あの『名鑑シリーズ』でさえ果たせ得なかった殊勲だ。苦悶に身を捩る人体の婀娜めきと、鮮烈なライト・グリーンのスパイラルが織り成す律動と階調。このシリーズが夙に発信し続けたアレンジ・センスの頴脱っぷりに、改めて低頭平身する思いである。デフォルメながら決して手を抜かない姿勢は、たとえば精緻な葉脈の様からも見て取れよう。『ウルトラマン』怪獣フィギュアにおける真のコンプリートにあっては、このスフランという艱難が必ず立ちはだかる。その障壁を見事征服してのけた本シリーズであったからこそ、最後のゼットンまで是非とも続けて欲しかったのだが...この第3弾を以って終了してしまったのが残念至極でならない。尚2005年にレトロ調ソフビ人形としてのスフランがアマプロから発売されたが、5枚の蔓状の葉が恰も人間の指のような意趣で造形され、またその全体的な佇まいがまるで海底に揺らめくワカメのようであったことを付記しておく。