有翼怪獣  チャンドラー ~ 『ウルトラマン』 第8話 「怪獣無法地帯」

果敢で無謀、吠えろ!かませ犬

 度重なる火山活動と地震の影響で環境が激烈に変化、太古に棲息した怪獣たちが目を醒まし、まるで有史以前の恐竜時代に先祖返りでもしてしまったかのような太平洋上の多々良島。チャンドラーは、その退行世界にのさばり歩く怪獣群の一匹だ。科学特捜隊が島を訪れた際には、弱肉強食界のトップに君臨する怪獣王・レッドキングと死闘を繰り広げていた。嚇怒性が高く、レッドキングに負けず劣らず凶暴な性格。フリッパー状の両翼は飛行能力を有さないが、羽ばたくことで風速60メートルもの突風を起こし敵の進行を阻む。肉弾格闘戦では断然有利を誇るレッドキングを向こうに、鋭い牙で右肩口に噛み付き流血に到らしめる奮闘振りを見せた。が、この一太刀が逆に仇となり、鮮血を見て逆上したレッドキングによって、右翼をもぎ取られることとなる。致命傷を負ったチャンドラーは、戦意喪失の果てにいずこへと敗走した。その生死は定かではない。






意匠と造型

 チャンドラーの着ぐるみはその姿を見れば一目瞭然、『ウルトラQ』に登場したペギラ(第5・14話)のものを殆んどそのまま流用している。僅かに認められる変更点はと言えば、耳のような2本の角と背中のモールドの追加、再塗装された褐色系の体色だけだ。地のペギラを覆い隠すための大掛かりな改造は為されておらず、したがって誰の目にもペギラの流用は明らかなのである。往時の円谷プロの台所事情が、推して測れよう。

 チャンドラー製作にあたって、デザイン担当の成田亨は新たに意匠を凝らしてはいない。そもそも成田は怪獣デザインにあたり、着ぐるみの使い回し・流用・改造を拒否し、新たにゼロからの創造を流儀としていたので、これは至極真っ当な対処だったのかも知れない。ペギラからチャンドラーへの大きな変更点である2本角の付け足し指示も、造型を手がけた高山良策のスケッチブックに直接描かれた。よってここでは意匠については特に触れず、造型作業だけに的を絞って敷衍してみよう。


 1966年6月11日、『ウルトラQ』の撮影で使用されたペギラの着ぐるみが、高山のアトリエに搬入された。翌12日には、同じく『Q』に登場したラゴン(第20話)のスーツを高山自らが持ち帰っている。そしてこの12日にチャンドラーへの改修作業が着手され、同時に『ウルトラマン』第4話登場予定であったラゴンの修繕作業と並行して進められた。切れていた目玉の電球が 6V 6W のものに付け替えられ、更に目のアクリルも作り直されている。チャンドラーは先ず、眼光から息づいたのだ。

 ちなみに前述6月12日というのは、アントラー(第7話)・レッドキング(第8話)・ベムラー(第1話)と、“新造型怪獣”が立て続けに高山の工房から生み出されていった後にあたる。ほっと一息ついたタイミングで受注したのが、これら“着ぐるみ流用怪獣”であるチャンドラーラゴンだ。一口に「流用・改造」とは言えしかし、2体同時進行というスケジュールからは、当時の繁忙さが窺えると言うもの。また殺人的な忙しさを伝える一方で、画面に登場した怪獣たちの勇躍振りは、活気漲るアトリエの模様とともに、嬉々として怪獣製作に打ち込む高山自身の姿をそのまま投影していると言えよう。

 さて眼球から気息を始めたチャンドラーは、次に2本の角を付け加えられた。「ペギラとは異なる」点はまさにこの追加された2本角の存在で、先からあった1本角と併せて、3本角こそがチャンドラーのアイデンティティなのだ。

 2本の角の追加。たったそれだけの改造。たとえばセミ人間(『ウルトラQ』第16話)の頭部を流用したバルタン星人(『ウルトラマン』第2話)や、ピーター(『ウルトラQ』第26話)を基に大幅なディテール・アップを施したゲスラ(『ウルトラマン』第6話)など、同じ“着ぐるみ流用怪獣”の「変身」の度合いと比較してみれば、チャンドラーのそれが如何に大人しいかが判るであろう。この例で言えばほかに、『ウルトラQ』のガラモン(第13・16話)を改修したピグモン(『ウルトラマン』第8話)もまた、控え目な改造例として挙げられる。こちらの場合は、演者変更のためにやむを得ず脚の長さを変えるだけの改造であった。因んで言っておくとこのピグモンは、奇しくもチャンドラーと同じ第8話に登場する怪獣である。

 ともあれ、元の怪獣が何であったか。それがあからさまに判明してしまうチャンドラーピグモンや。これらに施された改修作業を以って、もはや「改造」などと大仰には言い難いのかもしれない。


 ところで実際にフィルム化された作品内のチャンドラーには、追加された2本角に耳たぶのようなディテールが確認できる。据えられた箇所が側頭一対にあたるので、イヌやネコ、ネズミなど哺乳動物の「耳」として捉えることもできよう。

 尚これは完成納品後に円谷プロによって手を加えられたものであり、高山が付けたものではない。納品前のスチール写真を見ると、なるほど確かにチャンドラーの2本角には「朶」のニュアンスが無い。高山が造型を手がけた時点では、それは「角」という明確な意趣を持っていたのだ。「角」だか「耳」だか判然としなくなるのは、円谷に納品されてからである。

 このように作製された怪獣の全部が全部、納品時の姿のまま撮影に使用される訳ではない。見た目の派手さを狙ってディテールを変更したり、またフィルムに定着させるためにわざと派手目の色彩を塗装したりと、現場での微調整は常にあったことである。我々が知るフィルム作品内の怪獣とはつまり、この微調整を通過したものなのだ。

 そこでは忌憚の無い意見のぶつかり合いや、様々な試行錯誤があったことであろう。ウルトラ創成期にあっては、こういった瀬踏みさえも、「怪獣人気」の一端を支える重要なエッセンスであったのだ。「ああでもない、こうでもない」という暗中模索。40年以上にも及ぶ人気シリーズの原動力、その淵源は喧々諤々とした遣り取りにあるのかもしれない。


 改修着手から10日後の6月22日、背中のモールドを追加され褐色系に再塗装されたチャンドラーは、一応の完成を見ている。先にも述べたように、大きな改造点の無いチャンドラーは、元の怪獣・ペギラがあからさまだ。だがここで敢えて、「ペギラ」ならぬ「チャンドラー」自体を見たときに受ける印象に着目してみたい。

 1本角であるペギラと違う点は、「3本角であるということだけ」と言い切っても決して差し支え無かろう。(色彩については、『ウルトラQ』は白黒作品なので厳密には比べようもない) だがこの「角の本数の違い」こそが、チャンドラーペギラの間に決定的な差異を生じさせているのである。どういうことか?それは、双方の怪獣がそもそも「何の動物に見えるか」ということに留意すれば自ずと判るであろう。

 ペギラは、アザラシやトド、セイウチなどの海棲哺乳類をモチーフとした。フリッパー状の翼や水掻きの付いた足は、名前の由来でもあるペンギンをイメージしたものである。このように極洋生物の融合体であるペギラは、全く以って見事と言うほかないくらいにアザラシ顔だ。

 しかしひとたびこれに2本の角(耳)が付いただけで、このアザラシ顔は劇的変容を遂げるのである。フリッパー翼の形状と相俟って、チャンドラーの顔を含めた容姿は、まるでコウモリのそれに見えないだろうか?ペギラの時点では確実に顕現していた筈の海棲哺乳類の顔が、2本角を追加されただけでものの見事に消え失せている。替わって現出したのは、真の飛翔をする唯一の哺乳類、すなわち翼手類であるコウモリの顔だ。トドやセイウチに準えた長い牙も、強引だがここでは吸血コウモリのそれに見立てることができよう。(もっとも翼手類や齧歯類にあっては、長く伸びるのは門歯なのだが) 『仮面ライダー』に登場したコウモリ男(第2話)と、そしてチャンドラーを見比べていただきたい。無理は有るだろうがしかし、ある種の相似点が見えてくる筈だから。

 更に視点や解釈を展開してみたい。コウモリを悪魔的なものとして捉えるキリスト教圏やイスラム教圏において、想像された“有翼の魔物”はコウモリの翼手を持つものが多い。そういった“有翼の魔物”を描いた数々のイコンに、チャンドラーとの酷似性を見い出すこともできるのではあるまいか。この“有翼の魔物”とはすなわち、具体的に言えばヨーロッパ中世以降、数多くの西洋建築の屋根に排水機能として設置された怪物の彫刻、つまり“ガーゴイル”などのグロテスク極まりない空想上の怪物のことである。

 アザラシからコウモリへ。または西洋の魔物へ。海棲哺乳類特有のおっとりした顔つきから、凶暴性剥き出しのアグレッシヴな面構え。その差、たった2本の角。単に「着ぐるみの流用」とは言え、“高山マジック”の妙味はこんなところからも窺えるのだ。

 思えばペギラは、高山が造型を手がけたウルトラ怪獣第一号であった。その着ぐるみ製作には、1ヶ月もの時間が費やされている。文字通り高山が心血を注いだ、入魂の作だ。傾けた愛情がひとしおであったこと、それは容易に窺い知れよう。ペギラが高山にとって特別であったからこそ、チャンドラーという「新怪獣」がペギラとは違ったテイストで活きるのである。何となれば「ペギラ」を熟知していたのは高山本人なのであり、その素材の活かし方と殺し方を知っていたのもほかならぬ高山なのだから。

 芸術家が自身の作品製作に対して見せるこだわり。「怪獣製作はあくまで余業」と嘯くものの、その怪獣の数々が高山の芸術作品そのものであったことは厘毛も争われない。ペギラからチャンドラーへの転身は、すなわち己の作品における加筆・修正、もしくは換骨奪胎と同じ意味合いを持つものであり、そこに高山自身の芸術性が投射されていること自体、何ら不自然なことではないのだ。ペギラ、そしてチャンドラー。アザラシからコウモリへの跳躍が描く運動線はつまり、前衛美術家である高山良策の魂の飛翔、その軌跡なのである。

ペギラとチャンドラー、緩と急

 チャンドラーを演じた着ぐるみ役者は清野幸弘だ。『ウルトラQ』においてペギラ(第5・14話)を演じた清野なのだから、ほぼオーダーメイドで製作された着ぐるみのサイズを鑑みれば、これは至極道理に適った人選と言うほかない。清野にしてみても、懐かしい古巣へ戻った身体感覚があったのではなかろうか?それはさておき...。

 ではチャンドラーの動きが、かつてのペギラのそれに重なり合うか?と言えば、一概にそうでもない。極洋生物であるペギラは、どちからかと言えばゆったりとした動きを見せる。対して嚇怒性剥き出しのチャンドラーは、レッドキング相手に激しい動きで大立ち回りをやってのけた。ペギラチャンドラーの動きには、このように緩と急の演じ分けが截然に顕著なのだ。

 同じ外貌を晒しながらも、ペギラとは性向が明らかに違うチャンドラー。演出意趣を汲み取った演技プランに、清野幸弘という役者の確たる才覚を見る思いである。もし機会が有るならば、是非とも両怪獣の所作を検分し、清野幸弘の役者魂を含味していただきたい。

 さて、清野が演じたほかのウルトラ怪獣を挙げてみよう。『ウルトラQ』ではペギラだけの出演となり、『ウルトラマン』ではこのチャンドラーのほかに、ドドンゴ(第12話)・ぺスター(第13話)・再生テレスドン(第37話)を演じた。全シリーズを通じてもその総数は僅かにこれら5体ということになり、何となれば清野怪獣は稀少なのだ。

 その数少ない清野怪獣だが、更にその内訳を観照してみよう。ドドンゴぺスターについては、2人の演者がひとつの着ぐるみの中に入るタイプであった。これら2体の特殊体型怪獣は、荒垣輝雄との共同操演によって演じられたので、清野ひとりだけが主体であったとは勿論言えない。またチャンドラー再生テレスドンに到っては、ウルトラマンと一戦交えることもなく姿を消した脇役怪獣だ。正直、頭数揃えの“オマケ怪獣”感は拭えない。

 よって僅々たる清野怪獣だが、清野幸弘という役者が主体・主役であったことに焦点を当てれば、それはペギラだけということになり、その珍重さに更なる拍車を掛けていると言えよう。と同時に、「ペギラ=清野幸弘」という絶対的イメージを定着させているのである。


チャンドラー、変幻

 怪獣王・レッドキングと熾烈な死闘を繰り広げたチャンドラー。しかしシリーズを飛び越えての活躍は、29年後の『ウルトラマンパワード』まで待たねばならない。第3話「怪獣魔境へ飛べ!」での登場だ。

 基本的に初代『ウルトラマン』のリメイク的作品性を意図として制作された『パワード』。登場する“平成版チャンドラー”はしたがって初代に倣い、またもやレッドキングとの壮烈な戦いを展開することとなる。しかもこの“平成戦”にあっては、その緒戦、相手のレッドキングが雌であったにせよ、チャンドラーは何と一度は勝利を収めるのだ。リターンマッチで崖に叩きつけられ、結果的に敗北を喫しはするものの...。何はともあれ、「レッドキングチャンドラー」という対決構図。主役怪獣・レッドキングの強さを際立たせる手法として、チャンドラーとの戦いが描かれることは、もはや常套化した当為なのかもしれない。

 さて『パワード』に登場するチャンドラーは、初代のものと区別して俗に“パワードチャンドラー”と称されている。デザインを手がけたのは、前田真宏だ。体色はグリーンで彩られ、翼には展開するギミックが付けられた。全体的な形状も翼竜としての趣向が濃く、昭和版のものと比べるとその違いの程は歴然である。つぶさに見れば、フリッパー翼や2本の牙、耳、体表のイボなど、細かいディテールは確かにチャンドラーのものだ。だが鳥類風に造型された体躯構造が織り成す全体のシルエットは、中に入った演者の人体稜線を打ち消しており、これが人間体型丸出しのオリジナル・チャンドラーからそのイメージを大きく逸らす主原因となっている。

 “パワード怪獣”におけるデザイン趣意は、オリジナル怪獣の特徴を活かしたアレンジを旨とした。たとえば“パワードバルタン星人”や“パワードレッドキング”などを見れば、「ああ、これはきっとバルタン星人なんだな」とか「これは赤いけど、レッドキングなんだろう」という塩梅に、そこにはある種の「明瞭な正解」が判然としており、旧ファンにとっては胸の空く思いもあろう。ところが殊“パワードチャンドラー”に到っては、その爽快感がまるで当て嵌まらない。あまりにも違い過ぎるのだ。“パワードチャンドラー”を見て、誰しも“昭和版チャンドラー”に思い到るなどとは到底考え難い。これは“パワード怪獣”のデザイン流儀からすれば、実に異例なことだ。ほかに“パワードジャミラ”(第6話)や“パワードザンボラー”(第7話)が、こういった“意趣変え編曲”の同類として挙げられる。

 パワードチャンドラーにおけるオリジナル版からの逸脱振りはさておき、そのパワード版が翼竜のイメージとしてデザインされたことに注目してみたい。“プテラノドン”に代表される翼指竜。果たしてどのような経緯で、パワードチャンドラーが翼竜となったのか。

 先にも触れたように、チャンドラーの元となったペギラは、極洋生物の融合体としてデザインされた。したがってフリッパー状の翼は、ペンギン由来である。もしこのペギラを基にデザイン・アレンジが為されたのであれば、パワードチャンドラーはペンギンないし海棲哺乳類のような容姿を持たされていた筈だ。ところが実際のパワードチャンドラーからは、そのような意向はまるっきり窺えない。「翼竜」という明確なデザイン意識が、ただ汲み取れるばかりである。アザラシやトド、ペンギンなどは、噯にも出ていない。パワードチャンドラーの出自は、どうやらペギラには非ずといったところだ。

 そしてこれも前述したことだが、オリジナルのチャンドラーは追加した2本の角を耳に見立てることによって、「コウモリなどの翼手類」ないし「有翼の魔物」として捉えることができる。ここでいま一度、パワードチャンドラーの翼の成り立ちを見ていただきたい。前肢の指の伸長とその間に見られる飛膜は、明らかにコウモリのものだ。こういった翼形成のメカニズムは、翼竜が持つ翼指によって組成された飛膜構造がそもそものルーツである。ここでパワードチャンドラーの出発点が、紛れもないオリジナル・チャンドラーであったことに行き当たろう。且つまた「有翼の魔物」の醜怪さは、容易に「翼竜」の異形にも繋がるというもの。

 以上のような外見的特徴を踏まえてみれば、パワードチャンドラーのデザイン・ワークがペギラからではなく、チャンドラーから為されたと考えて先ず間違いはないようだ。


 チャンドラーの次なる目ぼしい活躍として、『ウルトラマンマックス』(2005年)を挙げておきたい。第6話「爆撃、五秒前!」で、レッドキングに対峙する有翼の怪獣が登場する。飛膜怪獣パラグラーだ。

 このパラグラーなる怪獣が、ムササビやモモンガなど飛膜を有する齧歯目に着想されたのは明らかで、無論チャンドラーからの再着想ではない。だがレッドキングに相対する怪獣として翼を持っているということ、その翼が羽毛ではなく飛膜であるということは、当然先達のチャンドラーを意識してのことであろう。そもそもレッドキング2代目(『ウルトラマン』第25話)も、やはり「羽」ならぬ「翅」を持ったドラコと戦っているではないか。

 チャンドラードラコ、パワードチャンドラー、そしてパラグラー。39年の時を経ても、「レッドキング対有翼怪獣」という構図が絶対的であるということ。それを実践してみせたのが、この『マックス』第6話なのである。


 そして2007年。『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』の第1話冒頭。チャンドラーは骨格模型として姿を見せ、登場人物たちによってその名が口の端にのぼる。

 詳述するとこうだ。“ZAP SPACY”のクルー・オキ隊員は怪獣好きで、そのときも怪獣の骨格模型を作っていた。そこへエンジニアのクマノがやって来て、「それは知ってる、ペギラだろ?」としたり顔で言う。だがマニアックなオキはさも得意気に「違うよ、これはチャンドラー」と応えて、ペギラチャンドラーとの違いを滔々と弁舌するといった塩梅だ。

 この後、生きているチャンドラーが登場する訳ではない。だがペギラチャンドラーの違いについて言及されるこのくだりは、40年以上経った今でも尚、テレビ画面の向こうに居るであろう大人になった旧ファンに向けて発せられたシーンとして印象深い。


 パワードチャンドラー(1995年)、パラグラー(2005年)、そして骨格模型(2007年)と、その時代その時代によって劇的変貌を遂げる有翼怪獣。しかしただの一度だけ、元の姿のままチャンドラーが復活した事例があった。それは2003年の『ウルトラマン・フェスティバル』におけるライブ・ステージ、つまり舞台興行の出演である。

 このときは「怪獣動物園に棲息している」という設定で、マグマ星人(『ウルトラマンレオ』第1話ほか)の策謀によって暴れ出すといった役どころであった。そしてこの舞台でもやはりレッドキングと戦うこととなるのだが、何と何と我らがチャンドラーはあろうことか勝利してしまうのだ!最後は、往時の最新ヒーロー・ウルトラマンコスモスによって静められ、“舞台版チャンドラー”の幕は閉じる。

 尚、これはあくまでもイベント会場におけるアトラクション・ショーであり、テレビ放映作品ではない。よって参考までに付記したものであり、パワードチャンドラーなど実際にフィルム化されたものとは画して位置づけるのが適当であろう。


“CHANDLAR”と“CHANDLER”

 “チャンドラー”という名前は、怪獣にしては何処となくチャーミングな響きを持っている。一体何からとったものなのだろう?名前の由来に関して、詳らかにされている怪獣は数多いが、このチャンドラーについては特に明かされていない。しかしだからと言って、この不思議な魅力を放つ韻の来歴秘史を、「はい、そうですか」と素通りできるものではない。ここではひとつ、その名前の由縁についてあれこれ考察してみようと思う。

 ところで私事だが、子どものときにはこの“チャン”という響きに、怪獣らしからぬものを感じていた。“チャン”という音感は、子どもの短絡的思考回路にあっては、友だちを呼称する際の「○○ちゃん」に容易に結びついたものだ。たとえば『快獣ブースカ』(1966年11月9日-1967年9月27日)には、第26話から“チャメゴン”なる宇宙怪獣が登場した。このように“チャン”ないし“チャ”という音韻は、『ブースカ』の如き作品性においては、「親しみ易い怪獣」の名として、その融け込みも無理なく決着が付くというもの。しかし“チャンドラー”は、仮にも人びとを脅かす存在である。そのような大怪獣を捕まえといて“チャン”の名を付けること、それは自分の中ではあってはならぬことであった。レッドキング相手に死闘を繰り広げた凶暴な怪獣に、“チャン”の音の何とそぐわなかったことか。“チャンドラー”の名前の謎に対する解明の欲求は、そんな子どもの頃に抱えていた違和が出立なのである。

 私事はさておき。“チャンドラー”を辞書などで引いてみると、「CHANDLER」の綴りで英語圏の姓または地名とある。円谷の公式表記ではチャンドラーは「CHANDLAR」と記されるので、スペルが「E」と「A」で一文字違うのだが、それはあくまでも表記体裁の違いであって、この場合無視してもよかろう。(ちなみに「Chandler」の語源は「candle」、すなわち「ロウソク」から来ており、ロウソクを作る職人またはその売人のことを指した)  さて英語圏における姓・地名というのだから、日本人に馴染みの薄い「チャンドラー」ではあるが、実は欧米では固有名称としてかなり当たり前のものなようだ。事実「チャンドラー」という名前の著名な人間を、幾つか挙げることができる。どうやら有翼怪獣に付けられた「チャンドラー」という不思議な名前は、語尾に「ラー」という怪獣らしい韻を踏まえてはいるが、人名から来ていると考えた方が妥当なようだ。

 「チャンドラー」の名前で先ず思い浮かぶ著名人は、『大いなる眠り』(1939年)などでお馴染みのハードボイルド小説作家、“レイモンド・ソーントン・チャンドラー”である。ハードボイルド小説は読まぬとも、その名を一度は聞いたことがある者も多かろう。このレイモンド・チャンドラーこそが、怪獣チャンドラーの名付けの由来であるとする説を、まま見かけたりもする。なるほど確かに嚇怒性の高いチャンドラーの気性は、冷酷無比・無感情・冷徹・非情を体現するハードボイルド小説の性質にも繋がるというもの。そういった怪獣に、ファンならずとも名ぐらいは広く知られている代表作家の名を持ってくること自体、さしたる不自然さも無かろう。名付けの所縁が特に明らかではないチャンドラーの、唯一支持されている説たる所以だ。

 同じ「作家」という括りで言えば、オーストラリアのSF作家・“A・バートラム・チャンドラー”が居る。『ウルトラマン』という作品はSFであると、広義には解釈できよう。その意味で、SF作家・チャンドラーの名を付けたのかもしれない。だがこの場合はあまりにも茫漠としていて、“レイモンド・チャンドラー説”のような決定打に欠ける。だいいちバートラム・チャンドラーのSF小説が、1966年当時の本邦においてそんなに親しまれていたかと言えば、それは甚だ疑問だ。よって“バートラム・チャンドラー説”は、除外するのが適当であろう。

 次なるチャンドラーは、アメリカのジャーナリスト・“ジョーエル・チャンドラー・ハリス”だ。ジョーエル・チャンドラーはジャーナリストながら『リーマスじいや』なる作品を書き著し、その中で南北戦争以降における人種関係の理想化された世界観を示した。ここで言う「人種」とはすなわち、アメリカ社会における白人と黒人のことである。白人の黒人に対する偏見・差別は、両人種間に深刻な抗争を生み出した。この「白対黒」という色彩対比は、二者間抗争というものを象徴的に示しており、もはやそれは、アメリカ社会の病巣を記号化したシンボルと言っても過言ではないだろう。白と黒。二色で示される人種間対立。「人種の坩堝」とはすなわち「人種無法地帯」。これを題材とした著作。その作者の名が、“チャンドラー”。そして...白いレッドキングに相対する黒い怪獣の名が“チャンドラー”!「白」が「黒」を蔑して啀み争うのは、怪獣の如きけだもののすることである。そういったこじつけは、果たして牽強附会であろうか?いやしかしジョーエル・チャンドラーはその著作の中で、“ブレア・ラビット”と呼称されるトリックスターを登場させ黒人伝承を重用している。正義の名の下にジャーナリストの目線が、不平等を押し付けられた黒人側に据えられていたことは明白だ。ジョーエル・チャンドラーは、被差別者の側から理想世界を模索・勘案したのである。さてそして、本エピソード・「怪獣無法地帯」の脚本を手がけたのは、チーフライターである金城哲夫だ。(上原正三と共著) この金城が“チャンドラー”を名付けたのか、それは定かではない。だがジョーエル・チャンドラーが標榜した理想世界と、金城が思い描いたコスモポリタニズムとが、白い怪獣に対峙する黒い怪獣の名を通して鑑みたとき、どうしても無関係に思えないのだがどうだろう?

 さて最後に、どうしても“S.C. チャンドラー”の名を挙げておきたい。拙い識見による明言は避けるが、地球の極運動の周期、いわゆる“チャンドラー周期”(1891年)を発見した人物である。それ以前にはL.オイラーによって“オイラー周期”(1736年)が唱えられていたのだが、オイラーが地球を剛体と仮定していたのに対し、チャンドラーは地球を弾性体と考えて、オイラーが算出した周期とのズレを説明している。全くの門外漢でチンプンカンプンも甚だしいのだが、表層をなぞれば、地球の極移動の周期について唱えられた両者の説には「ズレ」があるということだ。「極」運動と「ズレ」という要素、成分。これに準えば、こうも考えられなくはないだろうか?先ずペギラは、南極という「極」地を出身としている。そのペギラから「ズレ」た(改造した)ところで生み出された怪獣の名に、「極」運動周期における前時代の学説との「ズレ」を説いた学者の名、すなわち“チャンドラー”を持ってきたのではあるまいか。もちろんこれが頓狂な奇想であり、穿ち過ぎだということは分かっているのだが...どうにも無視できないものがそこには渦巻いており、名付け由来の項目の最後に採り上げてみた次第である。

 さて以上が“チャンドラー”という、おおよそ凶暴な怪獣とは思えない響きを持った名前、その来由についての思索・勘考だ。鼻元思案で申し訳ないが、これが“チャンドラー”という名前をいま一度見つめ直す機縁になれば謹言この上もなく幸甚の到りである。


“斬られ役”怪獣の登用

 チャンドラーは、劇中においてレッドキングと激烈な流血戦を展開するが、結局は敗退してしまう。怪獣と怪獣の対決、殺し合い。力及ばぬものは、強きものによって挫かれる弱肉強食世界。これは“怪獣無法地帯”なる多々良島が、種々雑多な異形たちに支配された怪獣王国だということを示しているのはもちろんのこと、同時に本編の主役怪獣であるレッドキングの頭抜けた強さを強調するものである。「レッドキングは強い!」という固定観念は、ウルトラマンとの戦いによって喚起されるものではない。実はこのチャンドラー戦で植え付けられたのだと言っても、決して言い過ぎではないだろう。

 ともあれ、レッドキングに深手を負わされたチャンドラーは、その後ウルトラマンと戦うことは無かった。換言すれば、挑戦者としての資格を失墜したのである。その役回りは、ウルトラマンの「本来の敵」・レッドキングを引き立てるための、時代劇で言う“斬られ役”だ。

 『ウルトラマン』では、複数の怪獣が登場する回であっても、最終的にウルトラマンと渡り合う怪獣は一匹だけというのが相場であった。本エピソードにおいてもほかにマグラーという巨大怪獣が登場するが、やはりウルトラマンと対峙することなく科特隊によって倒されている。このように主役怪獣の前に敗れ去る“負け犬怪獣”、または科特隊によって倒される“脇役怪獣”の頻出は、『ウルトラマン』という作品に歴々と見られる傾向だ。チャンドラーマグラーのほかにも、バニラ(第19話)やドラコ(第25話)、ギガス(第25話)などが“斬られ役”として挙げられる。バニラアボラスによって倒され、ドラコレッドキング2代目の前に惨敗、そしてギガスは科特隊の超兵器で四散した。いずれもウルトラマン登場の前に、片が付いていることで共通している。

 せっかく複数の怪獣が登場するのだ。ならば、全員で寄って集ってウルトラマンを攻め立てればよかろう。そしてその困難に打ち克ってこそ、ウルトラマンの強さが引き立つというもの。そう考えるのが、人の情や機微である。だが初代ウルトラマンが、一度に複数の怪獣を相手にすることは決して無かった。これは次作・『ウルトラセブン』についても同じである。ウルトラマンが一遍に二匹以上の怪獣を相手にし、容易く艱難を前にしてしまうという発想自体、どうやらこの時代(60年代)には禁忌ないし稀覯なことであったらしい。そういったシチュエーションは、70年代初のシリーズ・『帰ってきたウルトラマン』の第3話まで待たねばならない。サドラ&デットンとの戦いである。

 このエピソードは、特にウルトラマンの絶対的危機が描かれている訳ではない。単にクライマックス・シーンにおいて、二大怪獣を前にウルトラマンが「ちょっとした」ピンチに見舞われる程度だ。この「ちょっとした」が実は曲者で、これは新時代のウルトラマンが特に何てことない敵を前に、隙あらば容易に且つ日常的に危機に陥ってしまうぞ!という、過剰な盛り上げ手法への偏向を暗に示唆している。特別なエピソードではない限り、こんなことは『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』では無かった筈だ。

 では何故70年代を境に、このような描かれ方の差異が生じたのか。ひとつ考えられるのは、60年代のウルトラマンにはあった神性が、70年代に入って消失したということだ。60年代のウルトラマンは“神”なる存在であるが故、複数の怪獣を向こうに大立ち回りをやってのけるなど、そんな泥臭いことは以ての外であった。画面の向こうのウルトラマンに、見るものは神が振るう超越力の醍醐味をひたすら満喫し、そして強く求めたのだ。そのために、ウルトラマンは安易に苦戦してはならなかったのである。少なくとも60年代の“ウルトラマン”とは、日本人にとってそういった「よすが」的存在だったのだ。

 それが70年代に入り、いい加減アメリカからの自立を意識し始めた日本人の心根は、困難に打ち克つための「努力」とか「根性」を敢えて希求するように変容していったのである。『帰ってきたウルトラマン』で度々描かれるウルトラマンの窮地とその打開や、また『巨人の星』などのいわゆる“スポ根・ブーム”なんかは、そういった日本人の心情を投影している事象として実に象徴的だ。60年代では“神”だったウルトラマンが、70年代に入って“人間”になったのである。

 60年代ウルトラマンに託された神性。これが先ず、複数の怪獣がウルトラマンを攻め立てるなどという極めて作為的な危機シチュエーションを許さず、そしてウルトラマンと戦うことなく姿を消していった“斬られ役怪獣”を生み出したのであろう。

 もうひとつ。“斬られ役怪獣”の必要性を惟みたとき、『ウルトラマン』が“ヒーロー物”である前に“怪獣物”であるということに行き当たる。そもそも「怪獣」というものは、『ウルトラQ』のテレビ放映が開始されるまでは断然映画だけのものであった。“銀幕の怪獣王”とは、言わずもがなゴジラのことである。

 このゴジラは2作目の『ゴジラの逆襲』(1955年)における対アンギラス戦以降、様々な怪獣と戦うことで「怪獣映画」の醍醐味を体現してきた。対キングコング戦(『キングコング対ゴジラ』1962年)、対モスラ戦(『モスラ対ゴジラ』1964年)、そして対キングギドラ戦(『三大怪獣 地球最大の決戦』1964年)というように。

 『ウルトラQ』の放映が開始された1966年は、まだこの「怪獣対怪獣」という構図が怪獣物の王道として君臨しており、したがって制作側がこれを定石としたのは当然の成り行きだ。更に「巨大ヒーローが巨大怪獣と戦う」などという、かつて無かった怪獣物ドラマ、すなわち『ウルトラマン』に到っても、怪獣同士の戦いは「怪獣物最大の魅力」として依然強い影響力を維持していた。

 このように巨大ヒーローが存在するにも関わらず、あたかも約束事のように「怪獣対怪獣」がしばしば描かれるということは、以上のような怪獣物の常套を遵守していたのだと言えよう。そして最後には、巨大ヒーローによる勇壮な活躍が控えているのだ。そのために、先ずは“怪獣トーナメント”を勝ち残った怪獣を拵えなければならない。勝利に歓喜するものあれば、苦渋を砂のように噛む敗北者が居るのは、これ理。よって“斬られ役怪獣”の必需は、ヒーロー物と怪獣物との両立の上に成り立ったという訳である。

 さて、70年代以降のウルトラマンにおける神性の亡失については既に述べた。これによってウルトラマンは、いっときに複数の怪獣を相手に戦うこととなる。だがそれでも尚「怪獣対怪獣」は描かれ続け、そしてときには強敵怪獣の前に敗れ去り、ウルトラマンとは戦う機会すら与えられなかった旧来の“斬られ役怪獣”が登場した。『帰ってきたウルトラマン』のザザーン(第1話)はその好例で、物語冒頭いきなりタッコングに倒されるという見事な“斬られ”っぷりを披露している。60年代を過ぎてもまだ、「怪獣対怪獣」の発する妙趣が失効しなかったということを示す証左だ。

 また強豪怪獣と共闘してウルトラマンを苦しめた後、その強豪にしてやられるといった新たな斬られ役のバリエーションも発明された。これについては、同じく『帰ってきたウルトラマン』のツインテール(第5・6話)や『ウルトラマンタロウ』のケムジラ(第17・18話)などが、その筆頭として思い浮かぶ。前者はグドンに、そして後者はバードンに「喰われる」という、決定的敗北を喫した“斬られ役”だ。

 勝ち残った方が、ウルトラマンと対峙するというパターン。または、共闘してウルトラマンを苦しめた後に雌雄を決するといった新機軸。いずれにせよ70年代を迎えても、「怪獣対怪獣」という趣向は色褪せなかったということである。この礎を築いたのがゴジラであり、そして巨大ヒーローの誕生によって主役怪獣を賛助するような引き立て役、すなわち“斬られ役怪獣”への需要が高まったのだ。“斬られ役怪獣”とは、怪獣が織り成す破壊スペクタクル同様、怪獣の超越的膂力を誇示するために、その「支え」として怪獣物には不可欠なのである。
















ウルトラ 場外 ファイト

 チャンドラーの身長設定は36mとある。だが劇中におけるチャンドラーを見れば、45mのレッドキングに決して引けを取るような身長でないことが歴然だ。この30m台という半端さは、『ウルトラマン』で幾つか見受けられる身長設定の特色である。これは、決まった大きさのヒーローが不在だった前作『ウルトラQ』の世界観を、まだ引きずっていたからであると考えられよう。 ここでは 30m台の『ウルトラマン』怪獣を集めてみた。


◆チャンドラー(第8話)
 :36 m
対峙したレッドキングと、
9 mもの差があるとは
思えないのだが...。
◆ドドンゴ(第12話)
 :30 m
これはあまりにも
低過ぎるので、
ひょっとしたら
体長ではないか?
◆ガマクジラ(第14話)
 :35 m
体高としたら高過ぎだし、
体長としたら短過ぎ...。
◆ガヴァドンA(第15話)
 :30 m
Bでは60 m に成長。
◆ケムラー(第21話)
 :35 m
これは、
甲羅を展開させたときの
全高であろうか?











ウルトラ 場外 ファイト

 本邦初の本格的特撮テレビ番組である『ウルトラQ』・『ウルトラマン』は、毎週毎週新しい怪獣が登場するというかつて無かった試みによって、番組制作サイドでは台所事情は逼迫、財布の中はまさに火の車であった。したがって怪獣の着ぐるみや造型物の使い回しはやむを得ず、殊に『ウルトラマン』の第1クールではそれが際立つ。以下にその例を挙げてみた。


◆バルタン星人(第2話):
『ウルトラQ』第16話登場の
セミ人間(頭部)と、
第19話登場の
ケムール人のスーツを流用。
◆ネロンガ(第3話):
東宝のバラゴン(1965年)を
『ウルトラQ』の
パゴス(第18話)に改造、
更に再改造してネロンガに。
◆ラゴン(第4話):
『ウルトラQ』の
ラゴン(第20話)の
頭部を改修、
スーツについては
新調された。
◆ゲスラ(第6話):
『ウルトラQ』登場の
ピーター(第26話)を、
大幅なディテール・アップに
よって改造。
◆チャンドラー(第8話):
ペギラが『ウルトラQ』で
二度(第5・14話)
に渡る出演の後、
2本角を追加され変身。
◆ピグモン(第8話):
ガラモン
(『ウルトラQ』第13・16話)を
そのまま流用、
演者変更のために
脚の長さが変更された。
◆マグラー(第8話):
バラゴン・パゴス・
ネロンガを経て、
マグラーに。
◆ガボラ(第9話):
バラゴン・パゴス・ネロンガ・
マグラーを経て、
最終形態のガボラに。
(一説では、ガボラ→マグラーの順)
◆ジラース(第10話):
『モスラ対ゴジラ』
で使用された、
いわゆる“モスゴジ”に
襟巻きを付けたもの。
◆ギャンゴ(第11話):
第1話登場の
ベムラーを改造、
この目まぐるしさ!














ウルトラ 場外 ファイト

怪獣なのに人名?
人から取った怪獣の名前?
人名ないし固有名詞
由来の名を持つ
『ウルトラマン』怪獣の
あれやこれや。
人名怪獣名簿、閲覧。


◆バルタン星人(第2話):
好戦的種族の名は、
ローマ神話における火の神・
バルカン”から。
◆チャンドラー(第8話):
ハードボイルド小説の大家
レイモンド・“チャンドラー”は、
怪獣さながらの
クール(冷血)な筆致を
織り成す。
◆ギャンゴ(第11話):
派手な装飾や
トーテム・ポールなど、
原始美術に彩られた
南国の島を、芸術家・
ゴーギャン”は愛した。
◆ブルトン(第17話):
時間と空間が歪められた
シュールなストーリーに、
本家シュルレアリストの
アンドレイ・“ブルトン”も
真っ青。
◆ジャミラ(第23話):
ジャミラ”とは、
アルジェリアの
独立戦争で死んだ
女の子の名だ...
◆ウー(第30話):
ウー”の名を持つ著名人は、
ビルマ(ミャンマー)人に
多いが、はてさて?
◆メフィラス星人(第33話):
ゲーテの『ファウスト』
に登場する
悪魔・“メフィストフェレス”は、
甘言を弄して人心を惑わす。
◆ジェロニモン(第37話):
アパッチ族族長・
ジェロニモ”の名の
拝借であることは、
言わずもがな。











ウルトラ 場外 ファイト

 レッドキングとの壮絶な死闘において、チャンドラーには右腰から右下肢にかけて血痕が認められる。これはチャンドラーがレッドキングの肩口に噛み付く前からあったものなので、返り血とは考え難い。おそらくはレッドキングの攻撃によって負わされた創傷、その流血であろう。ほかに、レッドキングは右肩から流血し、その血を口に滲ませるチャンドラーも右翼をもぎ取られ大流血と、とかく鮮血の赤が際立つこの戦い。ウルトラ史上稀に見る“血闘”だ。







ウルトラ 場外 ファイト

不遇?いや、必需!
ウルトラマンと
相まみえることなく
姿を消していった、
悲しき脇役怪獣

◆チャンドラー(第8話):
レッドキングの
“引き立て役”として、
その功績は大きい。
◆マグラー(第8話):
科特隊が、初めて
自力で倒した巨大怪獣。
◆スフラン(第8話):
“怪獣無法地帯”では、
植物まで怪獣なのだ。
◆ミイラ人間(第12話):
その断末魔が、
結局ドドンゴを呼び...。
◆ガヴァドンA(第15話):
ウルトラマンと
戦うような力量は、
まだ持ち合わせていない。
◆バニラ(第19話):
折角超古代から
甦ったのだが、哀れ
アボラスの泡の餌食に。
◆ドラコ(第25話):
彗星とともに颯爽と飛来、
しかしレッドキングに
翅を毟られた。
◆ギガス(第25話):
レッドキングの鉾先から
辛くも逃亡も、
ミサイルで木っ端微塵に。
◆スフラン(第26話):
“怪獣島”に
スフランは付き物。
◆ゴルドン1体目(第29話):
陽の光を見ることなく、
科特隊によって
地底で倒された。
◆バルタン星人3代目・
 ザラブ星人2代目・
 ケムール人2代目(第33話):
メフィラス星人の
示威のための、
単なるアイテムに過ぎない。
◆ドラコ再生(第37話):
せっかく復活も、
新兵器・“スパーク8”で
粉砕された。
◆テレスドン再生(第37話):
スーパーガンの
トリプル・ショットで、
呆気なくK.O.。
◆サイゴ(第38話):
キーラに敗れ、
そしてサイゴの最期は
ミサイル攻撃で四散。
◆ゼットン星人(第39話):
不用意に正体を晒し、
マルス133で射殺さる。














スケッチブックを
覘く»»»







  画像にマウスを載せると別の一面が見られます。   
  ↓ 画像をクリックするとおもちゃ箱に移動します。

ソフビ道 チャンドラー /RO HG チャンドラー(片翼)

血気盛んな狂犬、チャンドラー大流血!






ソフビ道 チャンドラー・ラゴン /RO 同2体(目発光)

ふたたび「目」を醒ます怪獣たち















名鑑 チャンドラー キャラエッグ バルタン・ゲスラ /RO HG チャンドラー・ピグモン 開田 ペギラ 名鑑 ガラモン

その変身には、殆んど変更点が見られない


































HG チャンドラー・ペギラ(首) /RO 同2体(完体)

ペギラとチャンドラー、僅差が生み出すものは?










HG チャンドラー・コウモリ男 /RO無し

コウモリや悪魔的なものに見えてくる







名鑑 チャンドラー 開田 ペギラ /RO HG チャンドラー・ペギラ

高山作品の換骨奪胎、まさに血を分けた兄弟




























HG チャンドラー・ペギラ・ドドンゴ・ペスター・テレスドン /RO 名鑑 チャンドラー・ドドンゴ・ペスター・テレスドン パノラマ ペギラ

清野怪獣は、なかなかお目にかかれない
























ソフビ道 チャンドラー /RO ソフビ パワードチャンドラー

昭和から平成へ、チャンドラーは変容する
















































ソフビ道 チャンドラー ウルモン マグマ星人 /RO HG チャンドラー・コスモス

舞台に躍るチャンドラーの雄姿



















ソフビ道 チャンドラー ウエストケンジ チャメゴン /RO無し

“チャン”や“チャ”は、怪獣らしくない










































イマジネ レッドキング&チャンドラー HG ウルトラマン /RO イマジネ チャンドラー(単体)

かませ犬は無残にも挫かれる





イマジネ チャンドラー・マグラー /RO HG チャンドラー・マグラー・バニラ・ドラコ・ギガス

ウルトラマンと戦うことなく姿を消す


















HG チャンドラー・レッドキング・マグラー・マンA /RO SR 巨人の星

“神”なるウルトラマンは、労苦とは無縁だったのだが...

















HG チャンドラー・レッドキング・アンギラス・逆ゴジ /RO無し

ゴジラが決定付けた「怪獣対怪獣」の絶対的構図
















HG チャンドラー・ザザーン /RO 名鑑 チャンドラー・ツインテール 戯画 ケムジラ

斬られ役よ、永遠に...



   ↑ 画像にマウスを載せると、別の一面が見られます。   
    画像をクリックするとおもちゃ箱に移動します。↓



おもちゃ箱を
ひっくりかえす
      »»»







inserted by FC2 system