地底怪獣  マグラー




第8話「怪獣無法地帯」

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『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ファイナルコンプリートエディション_マグラー_前・俯



『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ファイナルコンプリートエディション_マグラー_仰・アソート

『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ
ファイナルコンプリートエディション
バンダイ 2006年


 左前肢を擡げ、這い蹲る地底怪獣の躍動。頭から尻尾の先まで、徹頭徹尾に漲る臨場感。その顕現にあっては無論、細部にまでこだわった、と言うより「細部こそこだわざるを得なかった」、緻密極まりない造型の功績がある。多面体ブロックの連接は、背面に向かうほど棘状に屹立し、またブロックひとつびとつの大きさも身体の箇所によっては、例えば尻尾の先端に向かっては小さくグラデーション状に変容し、堵列の疎密も美しい、まさに「黒いクリスタル・クラスター」。糅てて加えて頸部から頭部にかけての夥しい突起と、顎下の執拗な過密テクスチャー。と、劇中では怪獣として地味ながら、過剰な仕掛けを纏うマグラー。この「黒水晶」に向けられるべき美辞麗句を、そのまま本フィギュアに当て嵌めても決して過大評価では無かろう。細部を疎かにすれば、それは最早マグラーではない。そういった意味においては、造型への妄執の様が頭抜けている。間違いなく、このサイズではマスト。また、黒一色に堕さない彩色も出色で、そこれこそマグラーが棲まう地底の層の深みさえ放っているようだ。小粒な眼もアクセントとして、漆黒の中でギラついている。本来とは違う解釈だが、口腔内の白と赤のコントラストも目を惹き、その塗り分けも丁寧だ。大胆にも斜めに画された台座が、フィギュア自体の動きにひと役買っていることも見過ごせない。だが何はともあれ、製作者の呪詛さえ伝わってくるよな造型の精緻さは圧巻。視覚と触感を以って、ひとつびとつのブロックを自身の毛孔と同調させて粟立つべし。畏怖すべし。

『HGウルトラマン イマジネイション』
シリーズ Part.1
バンダイ 2003年


 何よりも、マイナーなマグラーに対して、このスポットライトこそは幸甚の到りであろう。地中から半身を突出させ、科特隊に襲い掛からんとするシーンのイマジネイティブ。本編でも描かれた場面であり、且つマグラー自体もオリジナルのものに割りと忠実に造形されているので、さほど逸脱を感じさせない印象だ。唯、全体像が醸すケレン味は独特で、このフィギュア自身の肝と言えるだろう。荒々しい棘の放列と黒い外皮は、堅牢な岩盤さえ貫くであろうと首肯せしめ、如何にも「地底怪獣」の名に相応しい。元来が無骨なマグラーは、どちらかと言えばどっしりとした体型のイメージだが、それを縦に扁平させることで、「たった今、地底から現われた!」という臨場感・躍動感を付与している。ネロンガ譲りの大きな下顎も、この細面からはみ出すことによって、俄然その迫力が増してくるというもの。また身体に纏わり付いた土や岩石が、何とも心憎い配慮だ。漆黒に輝く角・歯列・爪も目を惹くが、何と言っても口腔内、滑沢な舌の生々しさは謹々恐言、筆舌に尽くし難い。何処から眺めてみても、ピタッと極まる構図も見事。全身像ではないからこその妙味だ。怪獣としては凡庸なマグラーの、この非凡なる雄姿を愉しもう!

『HGウルトラマン イマジネイション』シリーズ Part.1_マグラー_前・俯



『HGウルトラマン イマジネイション』シリーズ Part.1_マグラー_アップ・アソート

『HGウルトラマン』シリーズ PART.37 怪獣無法地帯編_マグラー_前・後

『HGウルトラマン』シリーズ PART.37
怪獣無法地帯編
バンダイ 2004年


 脇役怪獣のマグラーが、『怪獣無法地帯』の名の下に、レッドキングチャンドラーとともにHG化。後肢二足立ちという珍しいポージングは、竜ヶ森撮影会や5円引きブロマイドなどでお馴染み。名鑑シリーズのものと比べて、棘状の突起の鋭さは著しく欠ける。が、腹部から背面にかけてブロック連接が魅せるの変容の美しさは刮目に価、丁寧な仕事振りだ。背中を走る棘の堵列が、二条ではなく一条として解釈されているのが気になるところ。だが、二足で立脚していても、この黒いシルエットは紛う事無きマグラーのものだ。

『HGウルトラマン』シリーズ PART.37 怪獣無法地帯編_側・アソート

『HGソフビ道 ウルトラマン』シリーズ 其ノ三_マグラー_前・後

『HGソフビ道 ウルトラマン』
シリーズ 其ノ三
バンダイ 2002年

 これも人気の度合いを鑑みれば、ラインナップされたこと自体が目付け物だ。全体的に寸詰まりでずんぐりしているのは、ソフビ人形の愛嬌として甘受。ブロックの連接や棘々、夥多な突起など、シャープさに欠けるものの、丁寧な部類に入る造型だ。しかし脇腹や尻尾を覆うブロックが、形式的に整然と並んでいるのが難点。彩色については、背面を走るライト・ブラウンが凸と凹の高低差を際立たせており、実に効果的。尚、右前肢は稼動するので、ポーズに綾が付けられる。

『HGソフビ道 ウルトラマン』シリーズ 其ノ三_マグラー_側・アソート

『ART WORKS COLLECTION
~featuring Yuji Kaida
~ ウルトラQ/ウルトラマン』シリーズ
大怪獣バトル EX Edition (オリジナルカラーver.)
メガハウス 2007年

 開田裕治。人呼んで“怪獣画伯”。彩管の揮い、髻の奔り。氏の筆より成る嗚呼絵、巧緻にして豪壮、まさに“怪獣戯画”が放つ赫々たる迫力!な筈なのに...その折角のパンチを、無慚々々殺いでこましたかの如き立体化、やけに小じんまりと纏めたミニチュアールである。なんて厭味のひとつ、斯かる矮小な拵えにあっては当為。背景を含んだ「絵画作品」の三次元化という発意からして駄目、原画の持つ雄大なスケール感を再現せんとすれば相応の嵩が必要であり、遵って気安く掌になんぞ乗っかっては罷りならないのだ。

 とは言え。フィギュア個々の完成度に関しては申し分無く、易々と看過出来る理法はない。「多々良島の激闘」と題された本作は、第8話「怪獣無法地帯」における怪獣たちの跋扈と、颯爽としたウルトラマンの対峙をフィーチャー。メイン・テーマの[レッドキング対ウルトラマン]を囲繞する“脇役”たちが、マグラーチャンドラー(羽のみ)・ピグモン(死体?)と矢鱈に充実、絢爛さで見せるヴィネットの設えだ。これら脇役の中でも取り分けマグラーについては、単なる“添え物”に留まらせてしまうには、可惜勿体無い仕上がりなのである。(尚、2006年に発売された同タイトル商品の、当アイテムは所謂“リペイント”版であり、この「オリジナルカラーver.」の他に、本編使用の着ぐるみに準拠した「ライブスーツカラーver.」なる亜種が混在した。)

 地より貫き出たる黒き水晶のクラスター。背面に林立する尖鋭な棘々のひとつびとつや、ブロック結節が織り成す体躯表層上の連接構造、また頭部を埋め尽くす疣状の突起群など。こうした造作の、何と丁寧且つ精緻である事か!同様な掌サイズにおけるマグラーの模像では、「傑作」の呼び声も高い名鑑シリーズ(同頁上段参照)版。これに匹敵する仕事っぷりである。そして、小粒ながらも聢と主張する画竜点睛と、グイと喰いしばった歯列だけで、こんなにも表情の綾。紛うかた無きマグラーの面差し、ネロンガ譲りの「狂い牛」たる兇相でなくって、果たして何?更に更に、或る程度光沢を抑えた漆黒の塩梅も、「先刻まで地中に居た」臨場感として適確。鼻息を荒げ、蹲う地底怪獣の顕現だ。以上総じて、動もすると主役(レッドキングとウルトラマン)を喰ってしまいそうな迫真の完遂である。

 フィギュアの結構に難癖付け入る隙無し。なればこそ、悔やまれてならない全体像、そのチンケな構築。矢っ張り、絵は絵。立体に起こす事で、逆に賞翫者の世界観を制限してしまうのはトーゼン、究竟の帰結であろう。

『ART WORKS COLLECTION』_マグラー,ウルトラマン,レッドキング,チャンドラー(羽のみ)

『ART WORKS COLLECTION』_マグラー(側),ウルトラマン,レッドキング,チャンドラー(羽のみ)

『HGウルトラマン』シリーズ ベストセレクション2_マグラー_前・俯

『SDMエスディーミュージアムウルトラマン』
シリーズ 2
バンダイ 2001年


 傑出したデフォルメ・アレンジのセンスがギラリと光るこのシリーズ。SDスタイルながら、これ以上無いくらいに過剰なモールドが全身所狭しと造形されている。また顔の造作ひとつを採ってみても、まさにネロンガ由来のマグラー顔で、如何にその造型感覚が優れているか判るというもの。実はマグラーは、スチールによっては頸部の括れが認められる。その括れを再現したことにも注目だ。左前肢を擡げたポーズの綾も見事。

『HGウルトラマン』シリーズ ベストセレクション2_側・アソート



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Walter Bosse brass hedgehog


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