細かいゴドラ星人の細工を、造型・彩色ともに精緻に再現。カプセルトイ・サイズのものとしては、文句の無い出来だ。特に顔側面の外骨格のような構築の緻密さには敬服、小孔から大孔へのグラデーションを織り成す「黒」とそれを囲む「銀」のコントラストが美しい。ポージングは両手を上げて身構える特徴的な“ゴドラ・ポーズ”で、前方に突き出した腰を中心に、側面から見たシルエットが描き出すのは、大きく緩やかな「S字」ラインだ。基地爆破を阻止され、怒りにうち震えながら巨大化する寸前のゴドラ星人が、劇中さながらの姿でここに甦る。
マックス号の船内扉の前で身構えたゴドラ星人。扉とのスケールが合わないのは、扉自体が場面イメージとしての添え物だから致し方なし。ゴドラ星人の入り組んだ細工をよく再現しているが、質感が一様で物足りなさを感じる。欲しかったのは、HG版のような身体各所における肌質の違いだ。顔面中央部のグリーンが厭味な感じで目立ち、それもまた劇中イメージを損ねている。
ハサミの鉱物感は良い感じだが、全体的に塗装が物足りなく、特に顔の彩色についてはそれが著しい。造型自体はオモチャっぽさとして味わいがあるのだが、「チープ」なんて言葉では片付けられない色味の少なさは致命的だ。成型色の白に頼り過ぎ。
確か2体入りだったが、このゴドラ星人が何とペアーだったかは思い出せない。SDスタイルフィギュアながら、ちゃんとゴドラ星人の表情を捉えているのは特筆で、この時代にはよく出来た代物と言えよう。残念なのは色味の少なさと背面未塗装で、細かく作り込まれたゴドラ星人の細工が泣いている。
ボトルキャップの極小サイズで、ゴドラ星人のこの傑出した出来栄え!殊に、下半身を覆う外骨格の銀色の構築には、俄然刮目だ。ボトルキャップ・サイズとしては、文句なくマスト。