宇宙怪獣  エレキング




『ウルトラセブン』 第3話
「湖のひみつ」

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『究極大怪獣 ULTIMATE MONSTERS』
シリーズ 3
バンダイ 2007年



 「着ぐるみ感」に極限までこだわったシリーズで、このサイズのエレキングとしては間違いなく最高峰の出来だ。ややもすると白一辺倒になりがちなエレキングの体色だが、黄色と灰色の程よい汚し塗装で、実に深みのある色合いを出している。アンテナ角の質感やクリア素材を使った口、そして背面を覆う斑紋の尋常じゃないこだわりようは、それまでのエレキングフィギュアには無かったアプローチで、まさにこのシリーズに冠した「究極」の名に相応しい。劇中では操演によって動かされた長い尻尾も、ご覧のとおりの躍動感だ。が、その躍動感がともすれば活き活きとした生物感につながってしまい、糸で吊られた「操演感」を却って逆に殺いでしまっているとも言える。だがそうであっても、これが傑作であることは毛も揺るがない。


とるとる愛テム
ウルトラセブンフィギュアコレクション
バンプレスト 1999年



 エレキングのフィギュア化にあっては、長い尻尾をどう処理するかが課題で、この箱入りブリスターのシリーズではご覧のとおりの処理だ。過剰にくねらすことでコンパクトを図り、しかも見た目の長さは損なわずに、尻尾を前に持ってきているという斬新さまで見せつけている。「箱入り」という制約が、却って良い方に作用した成功例だ。彩色は白いエレキングを強調。湖からあがったばかりは確かに美白なのだが、もうちょっとニュアンスが欲しかった。このシリーズでは、バルタン星人ウインダムなどの傑作もあるのだが、「台座」という発想がそもそも要らない。足裏の凸が、フィギュアの出来栄えを損ねている。

『HGウルトラマン』 シリーズ PART 31
湖のひみつ編
LOT : 凹 4
バンダイ 2002年

 HGシリーズ第2弾でのエレキング初出から7年、見違えて還って来たVer.2.0である。長い尻尾がコンパーチブル方式で、同弾のセブンと絡ませてバウトを再現できる作りだ。ただ、絡まり具合のフィット感で言えば、ナースの弾(PART21 2000年)の方のピッタリ感に軍配が上がる。こちらの絡まり具合は緩めだ。体の汚れは過剰にならず、着ぐるみ感もよく表現されている。このサイズのエレキングでは、マストと言って良かろう。

『HGウルトラマン』 シリーズ
ウルトラ大怪獣バトルスペシャル
LOT : 凹 3
バンダイ 2007年


 2002年に出たもののリペイント再発。汚れ塗装が過剰になり、汚い印象になった。リペイントは、「更なる向上」を標榜しているのではないか?この弾では他にバルタン星人やグドンなど、リペイントで却って悪くなったものがあった。尻尾のコンパチはなくなり、だからこそ同弾にアソートされたセブンのポーズの意味が分からない。

『HGウルトラマン』シリーズ PART 2
LOT : 凸凹 0
バンダイ 1995年

 初めて買った(回した)HGがこれ。200円カプセルの中にギュウギュウに詰まった長い尻尾と、カプセルを手にしたときのずっしり感は、間違いなくHGシリーズ原体験だ。「まさに...これは本物だ!」って煽りは、伊達じゃあなかった。体表のシワは着ぐるみ感を表現し、このサイズでそれをやろうとしたことに素直に感動。うっすらレモンイエローがかった彩色も心憎く、本シリーズに対する意気込みと愛情が伝わる一品だ。ただ腕の合わせが悪かったのが難だが、それも再販時には改善されていった。

『HGウルトラマン』シリーズPART2
「バンダイガシャポンEXPO2000
(2000年8月開催)」版
LOT : 凸 4
バンダイ 2001年1月に一般発売


 1995年に発売されたものの、四回目のリペイント再発。『バンダイガシャポンEXPO2000』で発売された。白を強調した彩色に、変更が見られる。しかしこうして見るとエレキングは、主人に忠実なポインター犬みたいだ。

『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ
ウルトラセブンComplete Special
バンダイ 2005年


 本シリーズでは『湖のひみつ』のタイトルで、ピット星人が2003年に、ミクラスが2004年に発売されており、そして漸く満を持して2005年、本エピソードの主役・エレキングの登場と相成った。足掛け3年がかりの、『湖のひみつ』完全補完である。吾妻湖からの出現を再現。ミクラス同様に足の差し替え(更に尻尾も)で、湖に浸かってるヴァージョンと全身版のコンパーチブル方式になっている。湖面の「青」とエレキングの「白」、そのコントラストが際立つ。

『HGウルトラマン ソフビ道』
シリーズ 其ノ一
バンダイ 2001年


 アイボリーの成型色が、良い具合な色合いを出している。ほどよい尻尾の長さ、全体的なフォルム・造型、ホルスタイン柄の再現、いずれもソツのないまとまりようだ。首長怪獣特有の前傾姿勢も、横から見た見事なS字ラインで納得。太目なアンテナ角が気になるが、ソフビだからそれは仕方がない。


『特撮ギャラリー』シリーズ No.5
バンダイ 1998年


 セブンへの尻尾巻きつけ攻撃シーンを再現。が、実際の劇中ではエレキングとセブンは向き合っておらず、HG31弾のように縦に並んだ形となる。しかも肝腎の巻きつけが緩い。それでもひとつのジオラマベース上に、巻きつけを再現しようとしたその果敢さは評価に値しよう。木曾谷渓谷の樹木の表現は、なかなか良い感じだ。造型・彩色ともに稚拙だが、98年当時としてはまあこれぐらいが関の山か。


『ウルトラ怪獣解剖図鑑』シリーズ
バンダイ 2004年


 昭和当時に人気を博した、大伴昌司のイラストによる『怪獣解剖図解』の立体化。人気怪獣商品が飽食期を迎えると、こういう珍品が出て来るという好例だ。ただ古くさい絵のままでは売る自信が無かったのか、イラストそのものを開田裕治に「再現」させている。その辺の中途半端さが、シリーズ化に到らなかった理由だろうか。値段も高価だったし。造型が良いので「内臓を剥き出したりせずに、別にこのまま普通に出しても売れるのでは?」とは思うが、やはり“ただの”エレキングでは出す意味も無いのだろう。



『立体カプセル百科事典 こどもの事典大百科 なかみまるみえフィギュアストラップ!』 食べられる動物編_ぶた_

『ウルトラ怪獣名鑑シリーズEX
ウルトラパノラマファイト』
ラウンド 2
バンダイ 2007年


 名鑑シリーズのスピンオフ企画で、昭和当時に児童書などで展開された懐かしの『夢の怪獣対決』を立体化したもの。『ビリビリ電撃ファイター決戦!!』と題されたネロンガVSエレキングは、電気系怪獣同士というあまりにも短絡的な発想だ。しかし濛々たる土煙(?)の中、発電施設をなぎ倒しながらの対峙はなかなかの迫力である。エレキングの角の折れ易さが難。奇しくも両者第3話登場の怪獣である。

『ウルトラ怪獣名鑑シリーズEX
ウルトラパノラマファイト』
ラウンド 2
バンダイ 2007年

 シークレット版のこちらは、ネロンガが透明化している。「透明」と言うとすぐクリア素材無塗装にする短絡振りにはいい加減辟易、何のありがたみも無い。しかしこれは透明な何もの(ネロンガ)かに、エレキングの尻尾が巻きついているという面白味があって、初めてクリア無塗装が生きている。


『桑田二郎マンガ版ウルトラセブン
ウルトラコレクションフィギュア』
シリーズ
マーミット


 マンガ版のエレキングは、シュッとした直線的イメージ。尻尾はちゃんと長く作られていて、くるくるっと巻いた処理が面白い。しかしこの鯱張った首は、『ウルトラファイト』のエレキングを髣髴とさせる。


『HGブルマァク魂』
シリーズ 3
バンダイ 2002年


 ガシャポンで買える、昔懐かしいブルマァク人形。このエレキングは、マルサン1期カラーリングだ。オリジナルが出た昭和当時には珍しく、ポーズに綾がついている。斜に構えた感じ。本物とこれだけかけ離れていても、ちゃんとエレキングに見えるのは、元々のデザインが優れているからだ。


食玩
『ザ・ウルトラマンファイト』シリーズ
バンダイ 1999年


 ホルスタイン柄さえフル塗装すれば、まあまあ見れるかもしれないエレキング。名鑑シリーズが出る何年も前、この様に形式的で簡素な作りであっても、ジオラマベース台座による場面再現は、何としてでも果たそうとしていたのか。もはや妄執さえ感じるのだが...。このシリーズのラインナップでは、バルタン星人アントラーが突出して良い出来だった。


食玩
詳細失念
バンダイ


 ただ「エレキング」という形態の上っ面をなぞっただけのようで、魅力に欠ける。着ぐるみ感も全く無く、妙にツルンとした感じが厭味だ。同シリーズラインナップのミクラスの方が、粗っぽいがそれなりに綾がついていて面白い。セブンのワイドショットの立体化が泣かせる。


『HGウルトラマン』シリーズ PART 31
湖のひみつ編
バンダイ 2002年


 この弾にアソートされたピット星人(B、オレンジ顔)に、エレキング幼生として付属。ピット星人の手に引っ掛けて、持たすことができる。ちなみにピット星人(A、ピンク顔)の方には付かなかった。劇中実際にピット星人の姿で幼生を手にすることはないのだが、心憎い配慮だ。造型が良いだけに、無彩色が悔やまれる。


ウルトラマン ボトルキャップフィギュア
三ツ矢サイダー 2003年


 映画『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス』公開に先駆けて発売。ボトルキャップから大きくはみ出た尻尾にはそれなりの手応えがあり、何とも嬉しい量感だ。小さくまとまりがちなボトルキャップ・フィギュアでも、怪獣物ならば是非こうあってほしい。


『ウルトラセブン Bot-Biz』
Part.2
ラナ 2002年


 前弾のウルトラマン編から比べれば、格段の進歩。造型・彩色とも、ボトルキャップ・サイズとしてはまあまあの出来。しかしながらエレキングの“顔”とも言うべきアンテナ角の造型が、単なる突起でまるでなってない。その一点だけで、エレキングの魅力を大きく殺ぐ。



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