カプセル怪獣  ウインダム





第1話「姿なき挑戦者」
第24話「北へ還れ!」
第39話「セブン暗殺計画 前編」


『究極大怪獣 ULTIMATE MONSTERS』
シリーズ 5
バンダイ 2008年


 “白銀の城”の如きメタリックな身体髪膚を晒すウインダムは、さながら軟鉄ないし錫のよう、「躍動する鋼鉄」とでも言おうか。怪獣造型を追求すべく“究極”を冠に掲げた本シリーズのウインダムは、全体的なフォルムから細部に渡るディテールまで精緻に造り込まれ、なるほど一分の隙も無い模像を顕現させていると言えよう。フクロウに着想した鳥人顔は健在で、目と頬におけるアンテナ状の突起は一体成型にせず、購買者自らが取り付ける別パーツとして独立させ、精巧な形状の鋭利さを優先させた。またサイド・ビューに回れば、ローマ兵士の甲冑を髣髴とさせる独特のシルエットが立ち顕われ、劇中の雄姿にはたと行き当たる。鶏冠や眼窩に施されたスジ彫りや、工業製品のビス穴のように打刻され頸部と四肢を囲繞する孔・孔・孔。これら巧緻で過剰なディテールも、このスケールで漸う活きてくるというもの。殊に“着ぐるみ感”に拘泥った随所のシワ寄りは執拗を究め、玩具枠内におけるウインダムものの中では群を抜いて孤高をひた走っている。だがこの「シワ寄り」への忠実なアプローチが、却ってメタリック・ボディの硬質感を殺いでいるのも事実だ。特に咽喉部と膝関節部のそれは、演者と被服の間に生じたダブつき、すなわち肉余り以外の何物でもなく、「柔軟な鋼」の意趣からは程遠い。良く出来たウインダムなのに、何処かしらシャープさに欠ける印象を受けるのは、そのことに来由するのかも知れない。そして塗装された「鈍色の銀」が、この“なまくら刀”を更に錆び付かせている。「白銀」における「白」の強調、そして金属表面の擦過表現。これを果たせればまさに“アルティメット”の完遂、銑鉄から錬鉄へと鍛え上げられるのだが。



とるとる愛テム
ウルトラセブンフィギュアコレクション
バンプレスト 1999年




 このウインダムは同シリーズのバルタン星人とともに、造型・彩色・細かいディテールなど、プライズ物のフィギュアの中では申し分のない出来である。メタリックな体表に施された、擦過表現を意匠とした塗装も、さほど自己主張せずに巧い具合だ。2007年に『ウルトラマンメビウス』版としてのウインダムのフィギュアが、クオリティも高くHGやソフビ人形で発売されたが、それはあくまでも「メビウス版ウインダム」の話。昭和の「オリジナル・ウインダム」では、このフィギュアをマストとしても良いくらいだ。それだけに、台座と、台座のために施された足裏の凸の存在が惜しまれる。


『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ
ウルトラセブン編 1
2003年 バンダイ


 クール星人の小型宇宙船に応戦するために登場したウインダム。第1話の峡谷のシーン、ウインダムの初陣を立体化。ウインダムの足元に、叩き落された小型宇宙船が配されているという配慮が心憎い。


『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ
ウルトラセブン編 プレミアムエディション
2006年 バンダイ


 2003年に発売された同原型の再発もの。透明素材と塗装の工夫で、「渦巻き状の光とともに姿を現わすウインダム」という意匠が凝らされている。背後から光をあてればそう見えないこともないのだが、ただウインダムは「渦巻き」とともには登場しない。この再発もののラインナップの中ではペロリンガ星人とともに、このウインダムのクリア素材がいちばん効果的に著われている。

『HGウルトラマン』
シリーズ PART 8
宇宙から来た暴れん坊編
LOT:凹 4
1996年 バンダイ


 HGシリーズにおけるカプセル怪獣第一号は、このウインダムだ。堅苦しいカチッとしたポージングは、いくらメタリック・ボディとは言え着ぐるみ感に乏しい。ウインダムの細かいモールドも甘く、今のHG技術からすればかなり稚拙な出来だ。2007年にはメビウス版ウインダムが高クオリティで発売され、10年以上の開きが偲ばれる。


『ワンダーカプセル ウルトラマン』
シリーズ 第1弾
バンダイ 2002年


 細かいモールドを持つウインダムのフィギュア化は、シルバー一色という塗装の手間と引き換えにするには、このサイズでは割りに合わない。ウインダムのあの夥しい孔を再現するのには、ある程度の大きさが必要だ。


600円ソフビ
『ウルトラ怪獣』シリーズ
バンダイ


 ウインダムの持つかわいらしさが、前面に出たフォルム。鶏冠後方にうっすらと赤の彩色が施され、フクロウというよりはニワトリを髣髴とさせる。


『ウルトラマン全集』シリーズ
バンダイ 1995年


 頭部が寸詰まり気味で、手がちょっと大きい。「昔のオモチャ」のテイストだが、同ラインナップのアントラーレッドキングの方が味わい深い仕上がりだ。


『ウルトラセブン Bot-Biz』
PART.2
ラナ 2002年


 『Bot-Biz』のボトルキャップシリーズ。ウルトラの第2弾にウルトラセブンが登場。ウインダムの夥しい孔々を、逐一再現しようとした意気込みは買う。だが如何せんボトルキャップ・サイズ。黒く塗装された孔々が、汚れに見えて仕方が無い。



スケッチブックを
覘く»»»




おもちゃ箱を
ひっくりかえす
      »»»





 画像にマウスを載せると別の一面が見られます。
画像をクリックするとスケッチに移動します。
inserted by FC2 system