火星怪獣  ナメゴン


『ウルトラQ』 第3話
「宇宙からの贈り物」

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ポリストーン製スタチュー 塗装済み完成品
浪漫堂 1996年




 “ポリストーン”という新素材を使ったリアル系怪獣フィギュアの第一弾で、ほかにゴメスリトラゴローペギラがラインナップされた。造型はいいが、ナメゴンのフィギュアでは質感が命である。あのナメクジ特有の滑沢な「ぬめり」は、ポリストーンという材質では再現がどうやら無理なようだ。過剰に水分を孕んでいるべきナメゴンが、何とも乾いた感じの仕上がりになってしまっている。軟体動物の柔軟ささえ感じられず、カチッと硬質な感じだ。したがってあの気味の悪い蠕動のさまは、ここには無い。

『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ
『ウルトラ怪獣名鑑戯画報』
(竹書房・刊)に附属
バンダイ 2008年


 名鑑シリーズ終了を記念して出版された書籍のオマケとして、初回限定で封入されたフィギュア。このほかネット通販で注文がなされたものには、カラー版のナメゴンが附属した。本品は書店販売版でモノクロ仕様。ナメゴンが大蔵島の洞窟から這い出て来たシーンを立体化。この直後海に転落して没す。断崖にしがみ付く万城目が臨場感を煽り、そこに場面切り取りのセンスを観止めることができよう。ナメゴン自体のフィギュアについては、モノクロ塗装ながら良く出来た“ぬらつき”に刮目。「湿潤な活沢さこそ命」と言って良いナメゴンの、妖しい息遣いを見るようだ。目玉の血管がタンポ印刷で再現されているという、何とも執念の篭もった逸品。シリーズのコレクターなら、メモリアルとして持っておきたいアイテムだ。

『開田裕治ART WORKS COLLECTION』
シリーズ 5
メガハウス 2006年


 開田裕治の迫力ある怪獣イラストを立体化したシリーズ。しかし全体的にこじんまりとした作りになっていて、肝腎の「迫力さ」を殺いでいる。大蔵島の洞窟火山湖で、金の玉から孵ったナメゴンが窃盗犯に襲いかかろうとする場面を再現。手前に配されたギャング、両脇に聳える岩肌など、凝った構図が魅力だ。また暗い洞窟内で異彩を放つナメゴンは、ブルー系で彩色されており、ひと際妖しい艶を放つ。よって殺がれた「迫力さ」が、惜しまれるところ。

『HG円谷英二セレクション』
バンダイ 2001年7月3日


 円谷英二生誕100周年記念特別企画として、『ウルトラQ』と『ゴジラ』の最初期の怪獣がラインナップされた。そもそも破綻のしようがない形のナメゴン、造型はこれでいいのだが、ナメゴン最大の魅力である「ぬめり」、その希薄さが仇となっている。しかしながら、突き出た目玉のせいでともすれば縦長の印象を受けがちなナメゴンなのだが、本品にはちゃんと後方へ伸びた体躯の造型が施されており、横から見た容貌にあの妖しげな蠕動を見る思いだ。


600円ソフビ 『ウルトラ怪獣』シリーズ
バンダイ


 薄紫をベースにピンクやブルーを噴き付けた彩色は、まさに前時代的な宇宙生物のイメージ。ソフビ人形としての「妖しさ」はこれで良いが、ナメゴン最大の特徴である目玉の造型に難がある。触角はもっとひょろひょろと細く、そして目玉自体はもっと大きく扁平であって然るべき。それこそがナメゴンなのだ。

『HGブルマァク魂』シリーズ 1
バンダイ 2001年


 昭和当時のブルマァク人形を、ガシャポンサイズに縮めたもの。マルサン1期カラーで彩色されたこのナメゴンは、オリジナルの物では超人気で、かなりのプレミアがつく。フザけているとしか言いようのないびっくり顔には愛嬌があり、背中のイボイボに施されたメタリック塗装の気持ち悪さと併せて、オモチャとしての魅力は申し分無い。白く描くことによって表現されたヒゲに、当時の真摯なオモチャ作りが偲ばれる。


『HG真ブルマァク魂』シリーズ 1
バンダイ 2002年


 カプセルトイから移行して、箱入りで販売された『ブル魂』シリーズ。タグ付きビニール入りという、昭和当時の販売体裁になっている。さほど有り難味を感じない蓄光仕様も、「妖しく光るナメゴン」ならでは相応の意味があろう。


『HGウルトラマン イマジネイション』
シリーズ Part.3
バンダイ 2004年


 「ウルトラマン」第37話『小さな英雄』の中で、デパートの玩具売り場に現われたピグモンのイマジネイション。そこに陳列されていた、ナメゴンのブルマァク人形である。小さくなって、とことんかわいらしいブルマァクのナメゴンだ。是非『ブル魂』のものと並べて、親子ナメゴンを観賞していただきたい。

『特撮ヒーローズ』シリーズ
「ウルトラQ ウルトラマン」
プレック 2007年


 2006年に『ウルトラマン』だけのラインナップで発売されたが、更にその第2弾として『ウルトラQ』からのラインナップも加えられたSDスタイルのフィギュア。『ウルトラQ』の怪獣は、シークレット(ガラモン)を除いて全て白黒塗装された。単純な形状で白黒彩色、そしてSDフィギュアではあるが、緻密に作り込まれた造型と細やかな塗装は、ナメゴンの妖しい雰囲気をしっかりと顕現させている。

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