とにかく全身を覆う体毛の表現が尋常ではない。もちろんこれは讃美だ。人気怪獣ガラモンに続くこのシリーズの第2弾において、ガラモン同様複雑な体表再現に挑んだ果敢なその胆力には敬服さえする。ゴローは「怪獣」というよりは、見たとおりただの「サル」だ。サルそのものに傾けた熱情は、細部にまで拘ったディテール云々より、人間の勝手によって命運を左右された巨猿の、悲痛な姿をここに顕現させている。後にX-PLUSは、本シリーズで『ウルトラQ』怪獣の全商品化に果敢にも挑む訳だが、「怪獣」としてはあまり人気の無いこのゴローの早い時期でのリリースは、その刺激的なチャレンジへの誓いを雄弁に物語るものだ。