古代怪獣  ゴメス


『ウルトラQ』 第1話
「ゴメスを倒せ!」

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『大怪獣シリーズ ウルトラQ』
X-PLUS 2004年


 前傾姿勢は“モスゴジ”のシルエットを踏まえた造型だ。表面にゴメスを顕現させていても、ゴジラの雄姿をそこに見る。鋭利に尖った角・牙・爪の鈍色の輝きはもはや伝統工芸品の域、特筆に値しよう。体表のウロコも一枚一枚が隆起していて、ゴジラを基盤としたテクスチャーも隅々まで手を抜いていない。細部まで緻密に拘った丁寧な造りが醸し出すのは、劇中さながらの「迫力」である。リアルタイプのソフビでは、これ以上ない出来だ。



ポリストーン製スタチュー
塗装済み完成品
浪漫堂1996年



 同時に発売されたほかの4体(リトラゴローナメゴンペギラ)とともに、浪漫堂が初めて世に送り出した“ポリストーン”という新素材を使った大怪獣シリーズだ。ゴメスが放つ荒々しさ、そして猛々しさがよく伝わってくる。殊にこの粗削りな顔つきが牙とともにむき出しにしているのは、劇中さがらの「凶暴さ」だ。舞台となった工事現場のレールや、散乱した資材をあしらった台座に、このシリーズにかけた意気込みを見る。


『HG円谷英二セレクション』
バンダイ 2001年7月3日


 1901年七夕生まれの円谷英二「生誕100周年」を記念して、特別企画が実現した。同じHGシリーズのウルトラとゴジラ、そのどちらにも属さない正真正銘文字通り「特別」な措置だ。同ラインナップのリトラと並べられる配慮が、素直に嬉しい。青いゴメスの威風堂々たるこの姿!

『ウルトラ怪獣名鑑シリーズEX
ウルトラパノラマファイト』
ラウンド 1
バンダイ 2006年


 名鑑シリーズのスピンオフ企画で、昭和当時児童書で展開された夢の怪獣対決の立体化。『相似形正統怪獣決戦!!』と冠された本品は、ゴジラの縫いぐるみを改造した怪獣同士を戦わせている。ジラースに倒されているゴメスの、この動きある造型に刮目だ。ほかのゴメスのフィギュアでは、決して見られないポージングである。名残としてとどめるゴジラ・モールドも丁寧な作りで見逃せない。


『HGブルマァク魂』シリーズ 1
バンダイ 2001年


 昭和当時のブルマァク人形を、カプセルトイサイズにて再現。少なからず「円谷英二生誕100周年」が作用したシリーズである。本品はマルサン2期カラーリング。私事だが、昭和当時に買ってもらえた数少ないブルマァク人形のひとつだ。特に好きでもなかったゴメスを自らねだった筈もなく、多分親が適当に買い与えたものと思われる。ネコ顔のゴメスが懐かしい。

『特撮ヒーローズ』シリーズ
「ウルトラQ ウルトラマン」
プレックス 2007年


 スケール・バランスの比重を頭部に偏らせた、SDスタイルによるゴメス。塗装は放映に肖って白黒画面風。本シリーズにおけるデフォルメの解釈とセンスは比倫を絶しており、“SD”という枠枷であるにも関わらず、全貌を描き出す稜線がゴメスというキャラクターを決定付けている上に、剰え着ぐるみ中の操演者の体型さえも煥発させるのだから、その造型力の異能さにはいやはや舌を巻く。勿論基盤を成す“モスゴジ”の威容も御清勝。「墨入れ」のようなこの手の短絡的白黒彩色には正直閉口するが、滲み込んだその墨が、体表上の鱗やモールドの精緻さを却って浮き彫りにしているので、この場合は「有り」か。そして角と牙の、この艶やかさと来たら!

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