カプセル怪獣  ミクラス ~ 『ウルトラセブン』 第3話 「湖のひみつ」
                          『ウルトラセブン』 第25話 「零下140度の対決」

勇猛果敢な弾丸ファイター
忠犬ミクラス突撃す!

 モロボシ・ダンが変身もしくは戦闘できない不測の事態にあるとき、ウインダムアギラ同様ウルトラセブンに代わって侵略者や怪獣と戦うカプセル怪獣。出身であるM78星雲バッファロー星の名が示すとおり、バッファローに似た姿で頭部に大小二本ずつ合計四本の角を持つ。押し潰されたような顔面は、土着民などが被る仮面のようだ。屈強な体躯と逞しい四肢が繰り出す膂力は怪力無双を誇り、知能の低さをカバーしている。強敵・エレキング(第3話)に対して怯むことなく大激闘を展開、尻尾を掴んでぶん投げるという荒技を見せた。基本的には肉弾戦を主たる戦法とするが、ガンダー戦(第25話)においては口から赤い熱線を吐いて応戦する。主人であるセブンへの献身性が実に高く、猪突猛進型の怪獣だ。普段はダンが携行するカプセルに、ミクロ化され収納されている。









意匠と造型

 アフリカやアメリカ、オセアニアなどの原住民による芸術は、大胆な抽象性とその力強さで、ピカソやゴーギャンなどの芸術家を魅了し多大な影響を与えた。また日本における縄文美術も、その抽象性が特徴的である。このいわゆる「プリミティヴ・アート」に啓示を受けたウルトラ怪獣は多く、デザインを手がけた成田亨と実際に造形をした高山良策の、ふたりの前衛美術家が持つ強い志向性が窺い知れると言うものだ。

 『ウルトラマン』に登場する怪獣を例にとれば、ギャンゴ(第11話)のトーテムポール風の模様、ドドンゴ(第12話)の火炎式土器のような装飾、ガヴァドンA(第15話)の著しい抽象性、ダダ(第28話)のアフリカ原住民の面を思わせる顔、ジェロニモン(第37話)の北米原住民のような羽根飾りなどが挙げられよう。また『ウルトラセブン』のザンパ星人(第35話)やフック星人(第47話)、ゴース星人(第48・49話)などは、成田の後を引き継ぐ形でデザインを手がけた池谷仙克と、日本の古代を憧憬した高山、2人の縄文造型への志向性が極めて強い。これらはまさに、怪獣の上に施されたプリミティヴ・アートの具現化だ。

 そしてこのミクラスについても、それは言えるのである。身体こそバッファローではあるが、丸い目玉と押し潰されたような鼻、くわっと開いた口で構成される特徴的な顔は、明らかにインカの仮面を模したものだ。赤や緑で彩られた四本の角、顔の下に垂れ下がる大きな葉状の前掛けと、顔の横からはみ出たたてがみのような造作、これらは全てインカやマヤ、また南太平洋の島々の原住民芸術である仮面装飾からの着想と言えよう。(余談だが、ミクラスには何とまつ毛が植毛されている。映像作品で是非とも確認していただきたい)

 同じく原住民の仮面を模したダダの顔があくまでも「人工的」な造作であるのに対して、ミクラスのそれは仮面を模した上に尚且つそこに「生物」としての息遣いを宿している。ダダは仮面のような表情の固さで見事「宇宙の知的生命体」の不気味さを顕現させ、またミクラスは表情の豊かさで「宇宙怪獣」の生命感を漲らせた。どちらも原住民の仮面芸術をルーツとし、そして登場する物語の意向を汲み取ってそれぞれ異なった形で誕生した怪獣と言えよう。ダダが「静」ならミクラスは「動」。「成田・高山ゴールデンコンビ」であったからこそ、成し得た妙味である。

 横山光輝原作・『ジャイアントロボ』(1967年)のジャイアントロボは、その顔に古代エジプト文明に見られる意匠が施されている。スフィンクスやツタンカーメン王の黄金像の顔と、そしてジャイアントロボの顔の相似は誰でも知るところだ。(ちなみに『仮面ライダー』(1971年-1973年)に登場する地獄大使やエジプタスなんかも、この例である) 人智では測り知れない「摩訶不思議なパワー」を、悠久の時の向こう側にある「古代」という人智及ばぬ世界に託すという、原作者の創意工夫・意図が窺い知れよう。

 プリミティヴ・アートにおける仮面などは、原住民には重要な意味合いを持つ祭などの特別な際に使われたもので、そこにはやはり「神の力」という人智を超越したものへの畏敬の念が込められている。ミクラスダダなどにこの「神の力」の形象を施すということは、先に挙げたジャイアントロボの例と同じく、古代への馳思があるのかもしれない。


 ミクラスのその「土着民芸術的な顔」もさることながら、バッファロー体型が見せる視覚効果にも注目してみよう。その稜線が実に雄弁なのだ。ミクラスを縁取るシルエットの印象が、正面から見たときと側面から見たときでは、まるで異なることに驚かされる。腕と足こそ太く逞しいものの、真正面から見ると真正直な長方形体型を呈す体型。だがひとたびサイドビューにまわると、俄然そこに武骨なバッファローが姿を現わすのだ。こんなにも長いのかと驚嘆させられる、顔から後頭部突端までの距離。そしてその頭頂から尻にかけて逆三角形を描く緩やかな稜線は、まさしくバッファローのそれであり、ミクラスの突進戦法に「なるほど」と合点がいくのである。

 背面にかけた圧倒的な量は、寸断された臀部によって裏切られる。ミクラスには、この背中の稜線に続く尻尾が無い。この例としてはほかに同じ『ウルトラセブン』に登場するイカルス星人(第10話)が挙げられるが、ともあれ見るものは成田が仕掛けたその意外性に驚かされまた納得させられるのだ。  だが言うまでもなく、バッファローは四足歩行の動物だ。それを無理矢理に二足歩行型の生物に置き換えようとしたら、どこかに不自然さが出る。「怪獣」はあくまでも空想上の生き物であるから、この辺のところは仕方ないのかもしれない。だから怪獣には、モチーフとした動物の意匠を部分的に留めるものが多いのだ。

 しかしミクラスには、四足歩行型動物が二足歩行生物に置き換えられたことで生じる「無理」が、まるで見受けられない。これはひとえに、極めて自然に且つ見た目の意外性を狙ってデザイン・造形されたバッファロー体型によるものだ。「もし二足歩行の野牛が居たらこうであろう」という、成田亨の妥協を許さぬ空想の具現化である。まさに「もし」が「本当」に換わる瞬間に慄然とさせられ、ウルトラ原体験のひとつとして構築されるのだ。

 ミクラスのように、着想した生物の意匠のみならずその「体型」にまでこだわった成田怪獣が、前作『ウルトラマン』では多く受けられる。ベムラー(第1話)のひょろ長い体躯は、爬虫類そのものだ。アントラー(第7話)は昆虫型怪獣だが、背面の甲の造型によって着ぐるみの人型という不利を巧い具合にカヴァーしている。またガマクジラ(第14話)の隆起した背面にクジラ怪獣としての合点がゆき、グビラ(第24話)の著しく扁平した体型に熱帯魚のそれを、ギガス(第25話)のずんぐりした上半身にゴリラを見るであろう。

 ミクラスと同じく「牛」をモチーフとしてデザインされたゴモラ(第26・27話)は、二足歩行で長い尻尾を持ち、牛の角を有するものの基本的には恐竜体型の怪獣だ。だが後頭部から背中にかけての丸みはまさしく牛のものであり、ミクラス同様その突進戦法に牛の姿を見ることが出来る。恐竜型体型に「牛」の体躯さえ兼ね備えたゴモラは、ある意味画期的な牛怪獣だ。成田・高山ともにモチーフとして、牛をよく好んで用いたと言う。ミクラスゴモラ。無骨さと体型と突進と、両氏が牛に傾けた愛情の結晶である。

 「怪獣」というものは、勿論空想上の生き物なのだが、ただ単に角や牙や爪や尻尾があり、恐ろしい形相で火を吐けばそれで良しというものでは決してない。成田は怪獣デザインにあたって、「怪獣はどこかに生きている形でなければならない」という提唱をしている。ミクラスの背中を走る稜線が、ベムラーの長い体躯が、グビラの扁平が、ゴモラの丸みを帯びた背中が、実にそれを体現しているではないか。


 さて「大怪獣」の醍醐味のひとつとして、その巨体が挙げられる。自然界の常識から外れた膂力の誇示に、我々は魅了され沸騰するのだ。無骨で逞しい体躯を呈するミクラスはまさしくこれを体現するものであり、前述したとおり成田・高山コンビが愛した「牛」が大怪獣の巨体を表現するのに有効に働くことは言うまでもないだろう。その嚆矢である『ウルトラQ』のパゴス(第18話)をはじめ、前掲した『ウルトラマン』のゴモラ(第26・27話)などのパワフルな進撃は、その証左にほかならない。

 もっともパゴスについては、東宝映画・『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』(1965年)登場のバラゴンのボディを流用しているので、「牛」とは言い難いのかもしれない。だが牛に着想した頭部によって、俄然その巨体が「牛」として活きてくるのである。ちなみに、そのパゴスに更にまた頭部だけ挿げ替えた『ウルトラマン』のネロンガ(第3話)も、顔の無骨さから言ってまさに猛牛のそれだ。

 そしていまひとつ忘れてならない牛怪獣は、ミクラスと戦ったエレキング(第3話)である。両目の代わりに生えた2本のアンテナ角と全身を覆うホルスタイン柄は、まさに「牛」に着想したと言えよう。だが エレキングについては、一概に「牛」とは言えぬ不思議な魅力に溢れている。そのことはエレキングの項目に詳しいので、参考にしていただきたい。

 パゴスネロンガゴモラエレキング、そしてミクラス。成田と高山が愛した牛。その巨体の躍動に、熱狂し血潮が躍るのである。それはさながら、スペインの闘牛に陶酔する観衆のようだ。


 成田亨はミクラスのデザインにおいて、ある種の実験を行っている。緻密に計算された意匠が、ミクラスが対戦する怪獣との相互関係において、視覚的に効果をもたらすのだ。そう、ミクラスは先ず対戦相手ありきでデザインされた怪獣であると言っても過言ではないだろう。

 側面から見れば「逆三角」を呈するミクラスが先ず戦ったのは、スマートな「二等辺三角形」の稜線を持つエレキング(第3話)である。三角と三角の対峙。片や武骨、片や流麗。黒対白。同じ「牛」をモチーフとした怪獣同士の戦いだが、そこには強烈な対比とコントラストがあり、それを見るものに圧倒的な印象を残すのだ。

 そしてミクラスのふたつ目の対戦相手はガンダー(第25話)であり、この怪獣もまた完全な逆三角を呈する“三角形怪獣”である。色合いもミクラスの黒系に対して、ガンダーは白系である。三角対三角。そして黒対白。湖畔におけるエレキング戦同様、雪中におけるガンダー戦もまた印象深い。

 これら二大対決は、脚本内容に沿った綿密な演出として意図とされたことは疑う余地もない。先ずエレキングの対戦相手としてミクラス、そしてミクラスが再登場する回にガンダー。優先されたのは、対比でありコントラストだ。「三角形」を怪獣の意匠として好んでよく用いた成田の、まさに視覚的効果を狙った実験である。

 殊に雪中のガンダー戦に対して昼間の明るさの中繰り広げられるエレキング戦の衝撃は突出しており、ウルトラシリーズにおける怪獣同士の戦いの中では他の追従を赦さない。吾妻湖におけるあの激突を、ファンならずとも記憶に留めているということがそれを雄弁に物語っている。

 この他の例はどうか?確かに『帰ってきたウルトラマン』の「グドン対ツインテール」戦(第5・6話)も、強烈な印象を残す。だがこの対決については、いささか勘違いがあると言えよう。両怪獣の間にウルトラマンを挟んだその構図こそ印象に残るのであり、夕景の中に高揚する危機感もまた巧い具合に作用しているのだ。グドンとツインテールの戦い自体に迫力はあるものの、それは視覚的効果とはまた次元の違う魅力なのである。また『ウルトラマン』における「アボラスバニラ」戦(第18話)も「青対赤」という色合い的なコントラストはあって、ある程度は印象に残る対決だ。しかしシルエットの完全な対比と、色合いの完全なコントラストが織り成す「ミクラスエレキング」戦には及ばず、この「完璧なる対峙」は依然として孤高を誇っているのである。

 間違いなくウルトラ原体験のひとつとして挙げられる「ミクラスエレキング」。ふたりの前衛美術家が仕掛けた対峙は、向後時を経ても色褪せないであろう。

二人のミクラス

 ミクラスを演じたのは、第3話では西京利彦であり、第25話では山村哲夫だ。同じカプセル怪獣ウインダムアギラ同様に、登場する回によって着ぐるみ演者が異なる。しかしながらミクラスの過剰に無骨な体型からか、両者の動きにさほど差は認められない。それもまたミクラスの特徴だ。

 西京が演じた『ウルトラセブン』怪獣はほかに、ゴドラ星人(第4話)とダンカン(第34話)を挙げるばかりだ。その体型からダンカンミクラスは繋がるが、奸計を弄する狡猾なゴドラ星人のイメージはまた違ったテイストである。西京の演技の幅の広さと言えよう。尚、第39話に西京のクレジットが認められるが、それがアロンを演じたものなのか、はたまた同じカプセル怪獣ウインダムを演じたものなのかは定かではない。(第39話でガッツ星人を演じたのは、池島美樹と推測される)

 対して山村が演じたセブン怪獣は、巨大化したプロテ星人(第29話)やダリー(第31話)、ペガ星人(第36話)、そしてカプセル怪獣アギラ(第46話)である。直立のプロテ星人ペガ星人、四つん這いのダリーや前傾姿勢のアギラ。これらもまたミクラスとは違った印象だ。

 怪獣と宇宙人。その両者が登場する『ウルトラセブン』において、誰がどれを演じたのかは専らクレジットに頼るばかりだ。それが無い場合、その演技によって誰が何を演じたかを判断することは極めて難しいと思われる。



愛らしいミクラスの忠犬魂

 さて、インカの仮面を模した顔を持つミクラスだが、まん丸の目とブタ鼻、そしてピンク色のクチビルが呈するのは何よりも“愛嬌”である。主人であるセブンに忠実なミクラスは、勇猛果敢に戦う態度とともに、その顔つきでも健気な献身を示すのだ。

 そしてこの愛らしい“忠犬”は、シリーズを飛び越えて活躍する。ビデオシリーズの『ウルトラセブン 1999最終章6部作』(1999年)ではウインダムとともに、そして2006年の『ウルトラマンメビウス』ではマケット怪獣として登場し、その人気者振りを示した。尚、映画『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』(1997年)に登場するZカプセル怪獣ミラクロンもまた、ミクラスを元にした新怪獣であることは明らかであり、シリーズを飛び越えた活躍と言えよう。

 中でも特筆すべきは、『ウルトラマンメビウス』における活躍だ。“マケット怪獣”として人類の味方をするミクラスは、攻撃能力として電撃技を附加される。その際にエレキングのデータを入力されるが、39年前の苦い敗戦経験(『ウルトラセブン』第3話)がトラウマとなっておりこれを拒否、結局 エレキング以外の電撃怪獣すなわちネロンガ『ウルトラマン』第3話)とエレドータス(『帰ってきたウルトラマン』第15話)のデータだけ受け付けるという経緯が描かれるのだ。言うまでもなく昭和のウルトラに熱狂したファンへ向けた心憎い演出であるとともに、その根強さにも驚かされよう。

突進ファイター・ミクラス、その戦歴

 前述したようにミクラスの活躍は時代を超越し引き継がれるが、『ウルトラセブン』自体における登場は僅か2回を数えるばかりだ。尻尾をつかんでエレキングをぶん投げた怪力技一辺倒のイメージが強いが、ガンダー戦では口から熱線を噴射している。第1話に登場したウインダムより後の登場となるが、怪獣同士の対決を見せつけたミクラスの方がより鮮烈なインパクトを放つ。以下にミクラスのその2回の戦歴を敷衍してみよう。

■第3話 『湖のひみつ』 (演:西京利彦)
 ピット星人にウルトラアイを盗まれ、変身不能に陥ったダン。ダンがウルトラアイを取り戻す間、吾妻湖より出現した エレキングに応戦するために放たれた。青いカプセルより登場。自慢の怪力を振るい、強敵相手に善戦を展開する。だが エレキングの長い尻尾を全身に巻きつけられ放電攻撃によって敗退、ウルトラアイを奪還したダンによってカプセルに回収された。
 忠犬怪獣ミクラスの初陣。流麗な エレキングと武骨なミクラスの、対比とコントラストが見事だ。木曾谷に展開する怪獣同士の戦いは、40年以上時を経た今尚色褪せない。ウルトラシリーズ屈指の名対決だ。
■第25話 『零下140度の対決』 (演:山村哲夫)
 寒さに弱いウルトラセブンが太陽エネルギーを補給するために一旦戦線離脱、その間ガンダーに応戦するために放たれた。黄色いカプセルより登場する。周囲を凍りつかせるガンダーに一歩も怯まず戦うが、冷凍光線攻撃の餌食に。セブンがガンダーに勝利した後、カプセルに回収された。
 2週続けて(第2425話)の雪中対決とカプセル怪獣登場である。怪力を得意とするミクラスが、珍しく口から熱線を放っている。猛吹雪の中、全身に雪を積もらせてのミクラスの奮闘振りは、何とも健気だ。黒い表皮に白い雪が積もったそのミクラスのまだら模様が見られるのは、この回だけである。

 ちなみに、怪獣同士の戦いによって善悪の関係を明確にするというこの勘案は、実は『ウルトラQ』の第2クール以降に予定されていた“怪獣トーナメント”なるものの名残りである。『ウルトラQ』では制作されなかったこの企画が、『ウルトラマン』を経て『ウルトラセブン』で実現を見たということだ。怪獣の中にも人類やウルトラヒーローに味方するものがいるという善玉怪獣の抗弁として、“カプセル怪獣”は実に優れた発明なのである。



































ウルトラ 場外 ファイト

 「ミクラス」の名の由来だが、ミクラスが野牛をモチーフとしているところから、ギリシア神話に登場する半人半牛の怪物「ミノタウロス」だと考えるのが妥当ではなかろうか。


























ウルトラ 場外 ファイト

 仮面装飾やトーテムポールなどの原始美術は、それぞれの民族の古代信仰に由来している。南米に繁栄した古代文明(インカ・マヤ・アステカなど)の古代美術。また北米原住民による色彩鮮やかな装飾。そして現在も息づくミクロネシアやポリネシアの島々、アフリカ大陸に見られる土着民芸術。

“プリミティヴ・アート”を纏ったウルトラ怪獣博覧会!

  • 『ウルトラマン』
    ◆ギャンゴ(第11話):
    色彩豊かな装飾模様は、
    トーテムポールのそれだ。
    ◆ダダ(第28話):
    アフリカ原住民の仮面に、
    キュビズムの意匠を
    加味した。
    ◆ジェロニモン(第37話):
    その名のとおり、
    アメリカ・インディアンの
    羽飾り。
  • 『ウルトラセブン』
    ◆ミクラス(第3・25話):
    野牛の身体に、
    古代インカ帝国の仮面
    という面白味。
    ◆プロテ星人(第29話):
    目周りの扇形が、
    仮面装飾を思わせる。
  • 『帰ってきたウルトラマン』
    ◆キングボックル(第50話):
    地底原住民の顔は、
    極度に抽象化された
    「面」だ。
  • 『ウルトラマンA』
    ◆ギロン人(第5話):
    その顔と派手な飾りは、
    原住民の仮面装飾
    のようである。
  • 『ウルトラマンダイナ』
    ◆ガラオン(第13話):
    抽象化された三面は、
    前出ダダからの
    再着想と思しき。
  • 『ウルトラマンコスモス』
    ◆モグルドン(第6話):
    腹這いで隠れたその腹に、
    壁画などに見られる
    人面画が。
  • 『ウルトラマンメビウス』
    ◆ジャシュライン(第37話):
    ダダ以降、「三面」は
    プリミティヴ・アート怪獣の
    方便に。













































ウルトラ 場外 ファイト

「人型」払拭
成田亨による
「体型」怪獣あれこれ


  • 『ウルトラQ』
    ◆M1号(第10話):
    著しく隆起した
    双肩によって、
    ゴリラ体型に。
    ◆ガラモン(第13・16話):
    丸みを帯びた体躯に
    細い脚、短い腕と長い指、
    どこをとっても
    「意外」だ。
    ◆カネゴン(第15話):
    臀部に収斂された
    巻き貝の形は、
    人型を崩す。
    ◆ピーター(第26話):
    極度な前傾姿勢は、
    爬虫類体型だ。
  • 『ウルトラマン』
    ◆ベムラー(第1話):
    短い前肢と
    ひょろ長い身体は、
    肉食恐竜のそれである。
    ◆グリーンモンス(第5話):
    「非人型」植物怪獣の
    着ぐるみ、
    その果敢な挑戦。
    ◆ゲスラ(第6話):
    ピーターの体型を
    そのまま継承。
    ◆アントラー(第7話):
    甲を背負うことによって
    昆虫型が顕現し、
    人型を隠蔽する。
    ◆ドドンゴ(第12話):
    成田の自由さの横溢は、
    遂に「人馬」型怪獣を
    生み出した。
    ◆ペスター(第13話):
    大いに人型を露呈させ、
    そして人型を否定した
    画期的発明。
    ◆ガマクジラ(第14話):
    頂点が顔ではなく、
    背中にあるというリアルさ。
    ◆ガヴァドンA(第15話):
    薄っぺらさに
    こだわっている。
    ◆ブルトン(第17話):
    もはや「中に人が入る」
    という縛りは、
    無いに等しい。
    ◆ザラブ星人(第18話):
    肩の無い人型が、
    宇宙人の稜線を描く。
    ◆ジャミラ(第23話):
    襟首から顔だけを出して、
    誰もが即席ジャミラに。
    ◆グビラ(第24話):
    極度な扁平体型によって、
    海棲生物に合点がゆく。
    ◆ギガス(第25話):
    量の偏った上半身に、
    ゴリラが顕現。
    ◆ゴモラ(第26・27話):
    後頭部から
    背中にかけての丸みに、
    猛牛の突進体型を見る。
    ◆ザラガス(第36話):
    ゴモラの丸みを
    そのままに、
    今度はサイの突進体型だ。
    ◆サイゴ(第38話):
    量のある体躯と
    前傾姿勢によって、
    宇宙生物を表現。
  • 『ウルトラセブン』
    ◆ミクラス(第3・25話):
    側面の圧倒的な量は、
    まさに野牛である。
    ◆メトロン星人(第8話):
    身体部を侵食する
    面長の顔が、
    不思議な人型を創造。
    ◆イカルス星人(第10話):
    寸断された臀部は、
    極めて不恰好だ。
    ◆アイロス星人(第13話):
    ただ脚が無いのではなく、
    前後左右に施された
    三角に刮目。
    ◆アンノン(第16話):
    いざりながら動く、
    四肢のある岩石。
    ◆ギラドラス(第20話):
    一見四つ足怪獣、
    実際は二足歩行で
    手が無いという見事さ。
    ◆ブラコ星人(第22話):
    顔の位置関係を
    崩しただけでなく、
    ふっくら丸い体型にも
    注視。
    ◆ガンダー(第25話):
    大きな逆三角が、
    四肢を持つ人型を
    大きく否定。
    ◆ギエロン星獣(第26話):
    人型も鳥型も超越した
    三角は、
    抽象作品のようである。








ウルトラ 場外 ファイト

猪突猛進!
ウルトラ闘牛ファイト!

  • 『ウルトラQ』
    ◆パゴス(第18話):
    牛特有の厳つさと、
    草食動物の温和さを
    併せ持つ顔。
  • 『ウルトラマン』
    ◆ネロンガ(第3話):
    猛り狂った暴れ牛の顔だ。
    ◆ガヴァドンB(第15話):
    ズラリと綺麗に並んだ
    臼歯は、
    草を食む牛のものか?
    ◆ゴモラ(第26・27話):
    牛怪獣最強の
    突進戦法は、
    ウルトラマンを
    吹っ飛ばす。
  • 『ウルトラセブン』
    ◆エレキング(第3話):
    牛に似つかわしくない
    流麗なボディに、
    ホルスタイン牛柄。
    ◆ミクラス(第3・25話):
    インカの仮面と
    バッファローのボディが、
    巧い具合にマッチ。
    ◆ギラドラス(第20話):
    角の生え具合が、
    牛に見えないこともない。
    ◆ブラコ星人(第22話):
    極めて
    醜怪に抽象化された牛。
  • 『帰ってきたウルトラマン』
    ◆マグネドン(第20話):
    角の湾曲が、
    牛を髣髴とさせる。
    ◆オクスター(第30話):
    水牛怪獣としての、
    見事なアレンジ。
    ◆パラゴン(第42話):
    オクスターから、
    牛怪獣として再アレンジ。
    ◆ケンタウルス星人
     (第44話):
    “宇宙牛人”
    とは思えないほど、
    「牛」を欠いている。
  • 『ウルトラマンA』
    ◆バラバ(第13・14話):
    アゲハ蝶がベースだが、
    どう見ても牛顔である。
    ◆牛神男→カウラ
     (第16話):
    肉牛600万頭の呪い
    という、
    凄まじい出自。
    ◆ジャンボキング
     (第52話):
    合体超獣だが、
    フロントビューは
    殆んどカウラである。
  • 『ウルトラマンタロウ』
    ◆モットクレロン成獣
     (第43話):
    飽くなき食欲の主は、
    極めて牛顔だ。
    ◆ベロン(第48話):
    『タロウ』に登場する
    二大食欲怪獣は、
    どちらも牛の顔を持つ。
    ◆オルフィ(第49話):
    『タロウ』に登場する
    三大牛顔怪獣は、
    全て害意が無い。
  • 『ウルトラマンレオ』
    ◆レッドギラス・
     ブラックギラス
     (第1・2話):
    一本角だが、顔は牛だ。
    ◆バンゴ(第12話):
    牛顔怪獣一、鼻息が荒い。
    ◆ドギュー(第20話):
    旅館の玄関に
    飾られている
    クマの剥製のようだ。
  • 『ウルトラQ・
     ザ・ムービー 星の伝説』
    ◆ナギラ:
    実相寺と池谷が仕掛けた
    古代牛神。
  • 『ウルトラマンゼアス』
    ◆コッテンポッペン:
    突進戦に有利な
    体型と角を持つ。
  • 『ウルトラマンガイア』
    ◆ティグリス
     (第38・45・50・51話):
    狛犬に牛の角。
    『ウルトラマンコスモス』
    ◆マハゲノム(第36話):
    獅子舞に角を生やせば
    牛になる。
  • 『ウルトラマンマックス』
    ◆クラウドス(第20話):
    異様に扁平して
    ひしゃげた形の牛。
    ◆ゲロンガ(第29話):
    ネロンガに再着想した、
    その名も牛鬼怪獣。
































ウルトラ 場外 ファイト

昭和ウルトラ史に残る
怪獣同士の名バウト!
  • 『ウルトラQ』

    ゴメス

    リトラ
    (第1話)
    ウルトラの歴史は、
    善玉怪獣 対 悪玉怪獣の
    闘いで幕を開けた。
  • 『ウルトラマン』

    レッドキング

    チャンドラー
    (第8話)
    両者流血の凄まじき血戦。

    アボラス

    バニラ
    (第19話)
    円谷英二が演出した、
    唯一の怪獣対決。

    レッドキング2代目

    ドラコ

    ギガス
    (第25話)
    三つ巴の戦いは、
    元旦放映の
    お年玉サービス。

    キーラ

    サイゴ
    (第38話)
    宇宙の暗がりで
    繰り広げられた、
    最も地味な戦い。
  • 『ウルトラセブン』

    エレキング

    ミクラス
    (第3話)
    完全対比の対峙は、
    ベスト・バウトだ!

    ガンダー

    ミクラス
    (第25話)
    極寒の中のミクラスが、
    何とも健気。

    リッガー

    アギラ
    (第32話)
    恐竜体型怪獣同士の、
    迫力ある対決。
  • 『帰ってきたウルトラマン』

    タッコング

    ザザーン
    (第1話)
    新生ウルトラマン、
    いきなりの衝撃。

    サドラ

    デットン
    (第3話)
    霧深い山岳で
    繰り広げられた、
    節くれ怪獣同士の交戦。

    グドン

    ツインテール
    (第5・6話)
    グドンが
    ツインテールを
    捕食するという、
    驚愕の結末に
    血沸き肉躍った。

    ケンタウルス星人

    グラナダス
    (第44話)
    星人の捨て身戦法が見せた、
    命がけの愛。

    ミステラー星人・善玉

    ミステラー星人・悪玉
    (第49話)
    好戦的性向は、
    同種族同士の戦いという
    悲劇を生んだ。
  • 『ウルトラマンA』

    ドラゴリー

    ムルチ2代目
    (第7話)
    “超獣”によって
    口から裂かれた、
    “怪獣”ムルチの哀れ。

    アイスロン

    ウー2代目
    (第42話)
    娘を守る父の魂が
    ウーとなって、
    アイスロンの前に
    立ち塞がる!
  • 『ウルトラマンタロウ』

    アストロモンス

    オイルドリンカー
    (第1話)
    怪獣を超越した筈の超獣が、
    怪獣に凌駕された瞬間。

    ライブキング

    コスモリキッド
    (第2・3話)
    旺盛な食欲を誇る
    ライブキングが、
    一度はコスモリキッドを
    飲み込むものの...。

    ガンザ

    タガール
    (第7話)
    怪獣同士の海戦は、
    これがウルトラ史上初だ。

    バードン

    ケムジラ
    (第17・18話)
    毛虫を喰らう猛鳥は、
    最強を誇る。

    メドウーサ星人

    ヘルツ
    (第37話)
    近隣種族徹底迫害を
    旨とするメドウーサは、
    ウルトラ版のナチスだ。

    テロリスト星人

    ミラクル星人
    (第38話)
    その名前から、
    善と悪との関係性が顕著。
  • 『ウルトラマンレオ』

    ローラン

    マグマ星人
    (第30話)
    思い込みの愛が、
    憎悪に変わるとき...。

    アシュラン

    セブンガー
    (第34話)
    時間さえあれば、
    セブンガーが勝ったであろう。
  • 『ウルトラマン80』

    ラブラス

    ダロン
    (第17・18話)
    イトウ・チーフの正義の心は、
    悪のギマイラに屈せず。

    ガモス

    ザッカル
    (第21話)
    妻子を殺されたザッカルの
    仇討ちは叶わず、
    その意志は80に託された。

    ザキラ

    バル
    (第28話)
    捕食関係は、もはや
    伝統芸に。














































ウルトラ 場外 ファイト

ミクラスの
『ウルトラセブン』以外での
活躍の概要
◆『ウルトラセブン 1999
           最終章6部作』
            (1999年):
6話「わたしは地球人」に登場。ウインダムとともにザバンギと戦うが、2体でも強敵には敵わず、最期は角を折られ絶命してしまう。
◆『ウルトラマンメビウス』
            (2006年):
  • 4話「傷だらけの絆」(2006.4.29)に、マケット怪獣として登場する。
  • そして第8話「戦慄の捕食者」(2006.5.27)からは、エレキングの放電攻撃に敗退した苦い経験克服のために、ネロンガやエレドータスのデータをもとに放電能力と透明化能力を付加された“エレキミクラス”として登場。
  • その後
    • 9話「復讐の鎧」(2006.6.3)
    • 13話「風のマリナ」(2006.7.1)
    • 27話「激闘の覇者」(2006.10.7)
    • 28話「コノミの宝物」
      (2006.10.14)
    • 36話「ミライの妹」(2006.12.16)
    と、『ウルトラマンメビウス』だけで都合7回の登場を果たしている。























ウルトラ 場外 ファイト

 吠えろ!かませ犬。ウルトラヒーロー登場までの前哨戦。場をつなげ!持ちこたえろ!何なら怪獣を倒してしまえ!

カプセル怪獣・マケット怪獣の
全星戦歴
  • 『ウルトラセブン』

    ウインダム

    クール星人の小型円盤
    (第1話)

    ミクラス

    エレキング
    (第3話)

    ウインダム

    ウルトラセブン
    (第24話)

    ミクラス

    ガンダー
    (第25話)

    アギラ

    リッガー
    (第32話)

    ウインダム

    ガッツ星人
    (第39話)

    アギラ

    ニセ・ウルトラセブン
    (第46話)
  • 『ウルトラマンレオ』

    セブンガー

    アシュラン
    (第34話)
  • 『ウルトラマンゼアス2
        超人大戦・光と影』

    ミラクロン

    ウルトラマンシャドー
     
  • 『ウルトラセブン1999』

    ウインダム

    レモジョ星系人
    (第3話)

    ウインダム & ミクラス

    ザバンギ
    (第6話)
  • 『ウルトラマンメビウス』

    ミクラス

    ケルビム
    (第4話)

    エレキミクラス

    ボガール
    (第8話)

    エレキミクラス

    ボガール及びボガールモンス
    (第9話)

    ウインダム

    ディノゾールリバース
    (第11話)

    エレキミクラス

    ムカデンダー
    (第13話)

    ウインダム

    インセクタス
    (第14話)

    ウインダム、ダンス!
    (第20話)

    ファイヤーウインダム、
    起動実験
    (第24話)

    エレキミクラス&ウインダム

    ゼットン
    (第27話)

    エレキミクラス

    ノーバ
    (第28話)

    ファイヤーウインダム

    ロベルガー
    (第31話)

    エレキミクラス

    アングロス
    (第36話)

    ファイヤーウインダム

    グローザム
    (第46話)



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逞しい体躯の弾丸ファイター、ミクラス
















原始美術や縄文造型を纏った
「成田・高山・池谷」怪獣







古代文明に託した「神なる力」









ミクラスを横から見ると...




量感と体型によって、
二足歩行のバッファローが息づく











どこかに棲息している「体型」



















暴れ牛の巨体、その躍動に見るものは沸騰する





三角の対比が印象深い、ミクラスの2つの戦い




完璧なる対峙は、ウルトラ怪獣ベスト・バウトだ


















ギャップ際立つ西京怪獣と、
多様な体型の山村怪獣















時代を超越し、ミクラスは電撃を克服する














木曾谷に展開する壮絶バトル!


寒さに弱いセブンを助けるミクラス


怪獣同士の戦いを実現させた“カプセル怪獣”


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